« Clinical 手際の良い残根歯の抜歯法 ③ | トップページ | Clinical 手際の良い残根歯の抜歯法 ⑤ »

2023年4月26日 (水)

Clinical 手際の良い残根歯の抜歯法 ④

続き:

3. 残根抜歯に必要な器具

 歯の状態、抜歯の難易度によって準備する器具やタービン、エンジン(マイクロモーター)のハンドピース、バーが必要になることがある。

1) 鉗子

 鉗子は抜歯する歯が上顎か下顎かにより、また歯根の径の大きさによって適したものを選択。残根鉗子が使い易い。先端に特別な加工が施され、滑りにくく、保持力の高いものも市販されている。

2) 挺子(エレベーター<英>、ヘーベル <独>、ここではヘーベルとする)

(1) ヘーベルの選択

 残根歯の場合、鉗子だけで抜歯できることは少なく、ヘーベルも用いることが多い。ヘーベルの選択、使い方が残根歯の抜歯の巧拙を左右するので詳述する。

 ヘーベルも鉗子と同様、歯根の径の大きさ、歯根膜腔の状態に応じて適したものを選択する。ヘーベルには先端部が真っ直ぐな直と角度のついた曲があり、一般的には、直は先端部が歯軸に一致しやすい前歯部、小臼歯部に用い、曲は、直では歯軸に一致しにくい大臼歯部に用いることが多い。工具のドライバーと同様に手で把持部(握る部分が太いほうが、回転運動の際に先端部に強い力を加えられる)ので、非力な歯科医師は握る占めの太いものを使用するほうが良い。また、刀部の厚みができるだけ薄く、細く尖っているほうが歯根膜腔に入りやすい。ただし先端部が細いタイプは回転運動で歯を動揺させる操作はできない。刀部の角度にも種類があり、歯の位置、状態によっては有用である。

(2) ヘーベルの持ち方

 把持部の頭の部分を掌で包むように持つ。鉛筆握りではうまく力を加えることができない。

(3) ヘーベルの動かし方

                明日へ続く。

« Clinical 手際の良い残根歯の抜歯法 ③ | トップページ | Clinical 手際の良い残根歯の抜歯法 ⑤ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事