« Clinical 手際の良い残根歯の抜歯法 ⑦ | トップページ | Clinical 鄭和の良い残根歯の抜歯法 ⑨ »

2023年5月11日 (木)

Clinical 手際の良い残根歯の抜歯法 ⑧

続き:

②短根歯の場合

  短根歯であっても、これの彎曲や肥大、癒着があってなかなか抜歯できな場合は、分割する。教科書的には頬側の隅角部お残すため頬舌方向にバーを進め、近心側片、遠心側片に分割することが勧められているが、小臼歯の場合には、歯根の形態が近遠心的に圧平されていることが多いことと、まれに頬舌的に 2根であることがあるので、近遠心方向にバーを進め、頬側片、舌側片に分けることが良い。単近歯の分割では、きれいに 2分割することにこだえあらず、2片にならば良い。

 「歯を小さく分割すると掴みにくくなり、またヘーベルもかかりにくくなるから、分割せず大きいままで抜くほうが良い」という考え方があるが、分割したほうが抜歯は容易になる。歯根を分割することにより、①アンダーカット(彎曲、肥大、開大、離開など)の解消、②歯根と骨の境界(ヘーベルの挿入部)の明示、③骨製癒着の面積の減少、④歯を動揺、移動させるたまのスペースの確保、等の利点。分割した後に小さな分割片が残遺しても、ルートチップピックや長めのバー等を用いて、後で説明するが、アプローチを加えれば容易に抜歯抜歯可能。

(6) 根尖部骨開削

  根尖部のみが抜歯窩底部に残っている場合、特に中間欠損の場合など歯槽頂からのアプローチが困難なことがある。その際は、歯根端切除術と同様の要領で根尖相当部の頬側骨を開削し、この開削孔から根尖を摘出するか歯槽頂側へ押し出す。頬側皮質骨の厚みからみて、上下顎とも小臼歯まではこの処置が可能だ。上顎大臼歯は頬側皮質骨が厚く、下顎骨の頬舌的幅が広いため根尖への到達が難しいが、下顎第一大臼歯の歯根端切除が可能な場合があることを考えると、第一大臼歯までは不可能ではない。

 🔹舌側への突き出し

  下顎小臼歯は舌側転位していることがあり、舌側転位歯が残根になっている場合、鉗子での把持が困難でまたヘーベルも使用しにくく、通常の抜歯方法では非常に困難である。舌側転位歯の歯根は歯列よりも頬側にあることが多いので、 CTで歯根が頬側にあることが確認された場合に根尖部の頬側皮質骨を開削して抜歯。骨開削後、歯根をカットして根尖側を除去し、歯根の切断面にヘーベルをあてがって、下方からマレットで槌打して舌側に押し出す。の

(7)歯根全削去

  骨性癒着が強くて脱臼しない場合や、脱臼歯の再植後の歯根吸収などで歯根と骨の境目が分かりにくい場合には、 歯根を抜去することにこだわらず、バーで全削去しても良い。本来の歯根径、歯根長よりやや大きいために周囲の歯槽骨を含めて削去する。このとき隣在歯の歯根、オトガイ孔、下歯槽神経、上顎洞に注意。一見、強引な手技のように思われるかもしれないが、インプラントの形成と同様の事であり、特別な問題ではない。

 

 

« Clinical 手際の良い残根歯の抜歯法 ⑦ | トップページ | Clinical 鄭和の良い残根歯の抜歯法 ⑨ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事