人間と科学 第347回 歴史散歩 医学の目 リーダーたちが病気になった時(2) ①
小長谷 正明(国立病院機構名誉院長)さんは記事を載せています。その内容をコピーペー:
パピルス・ミステリーのDNA 鑑定
王様や大統領の暗殺は、クーデタ―の成否にかかわらず、とてつもない政治的混乱を引き起こす。1963/11/23、の朝、科学少年だった筆者は早起きして TV の前に座り、日米間の初の人工衛星の中継を待っていた。そこに飛び込んできたのはテキサス州でのジョン・F・ケネディ大統領襲撃事件のニュースであり、ものすごい衝撃を受けた。そして、その後のアメリカ社会は陽気さが失われ、相次ぐ暗殺事件やベトナム戦争などで重苦しい空気が漂っていった。
暗殺事件は、古代エジプトの時代にも絶対権力者のファラオ(王様)にもあり、イタリアのトリノの博物館には裁判記録のパピルスが残されている。詳しいことは長らく不明のままだったが、21c. になって DNA 捜査が及び、3000 年来のミステリーが解決された。物的証拠は、被害者のファラオと身元不明のミイラである。
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古代エジプト新王国時代第 20 王朝のラメセス 3世は、紀元前 1182 年から 1151 年にかけての大王である。アブシンベル神殿で有名なラメセス 2 世とは時代が約 100 年も隔たっていて、王朝もこの間に第19 王朝から第 20 王朝に移っており、同名でも 3 世は 2 世の跡継ぎではない。残されているミイラの顔を比べると、ラメセス 2 世は細面だが、3 世は顎が張ったがっしりした顔つきで、20c. には怪奇なミイラ映画のモデルになったくらいで、あまり似ていない。
もっとも、3 世は 2 世のひ孫かなにかで、なんらかの血縁があったという説もある。因にラメセスとは「ラー(太陽)が生まれた」と言う意味だ。
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