Science 糖尿病と歯周病 ~基礎研究からその問題点を考える~ ②
続き:
sその②
ドイツで行われた前向き試験き試験では、1型糖尿病、2型糖尿病ともに、血糖コントロール不良(HbA1C>7%) 群では非糖尿軍と比較し、アタッチメントロスと歯の喪失リスクが増大していたが、血糖コントロール良好群が(HbAiC=1 or<7%) 群ではそのような関連が認められなかった。一方で、システマティックレビューでは1型糖尿病と歯周病との関連についてはエビデンスが認められないととの報告盛る。さらに2型糖尿病対するランダム化比較試験(RCT)では、歯周病治療によりHbA1cが低下するものが多い一方、より大規模なRCT を実施した米国の研究では、非外科的歯周歯周治療介入によってHbAicの改善は認めず、議論が残る。
Southerlandらは、糖尿病重篤な歯周炎を有する患者は、糖尿病あるいは歯周病に罹患していない者に比べ頸動脈エコーにおける頸動脈の内膜中膜複合体厚(IMT) が優位に増加し、虚血性心疾患や糖尿病性腎症による死亡が多いことが報告されている。さらに近年 Choi らは、米国国民健康栄養調査 (NHANES)における口腔内状態(喪失歯数)、2型糖尿病、糖尿病最小血管障害および大血管障害に関するデータと、これまで 2 型糖尿病患者に対して歯周治療を行ったRCTで評価されたパラメータをもとに、確率的なμシミュレーションモデルを用いてコンピュータ解析し、非外科的歯周治療行うことで歯の喪失喪失リスクを 34.1% 腎症、神経障害、の発症リスクをそれぞれ20.5、17.7、18.4%減少させることを予測する。
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