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2023年10月 3日 (火)

人間と科学 第351 回 歴史散歩 医学の眼 リーダーたちが病気になった時(6)④ 

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 彼は少しずつ回復していたが、無為無策のまま、1921 年 3 月の任期切れまで職に留まり、1924 年に 67 歳で亡くなった。死後 25 年経って、在職中の彼は職務不能であり、夫人らによってカモフラージュされていたことが明らかになった。

 その後も、1945 4 月に第二次世界大戦終結直前のルーズベルトの脳出血、1950 年代のアイゼンハワーの心筋梗塞、1963 年のケネディの暗殺など、大統領が亡くなったり重病になったりした。1967 年になって、大統領が執務遂行不能となった場合の職務権限移譲の対処法を定めた修正憲法 25 条が成立した。

 日本でも人ごとではない。2000 年春の小渕恵三首相の在任中の脳梗塞による死去の後、継承過程の問題で政局が不安定になった反省から、内閣発足時に首相が、あらかじめ(職務不能時の)首相臨時代理の順位を指名するようになった。

   2020/01/06、トランプ大統領が、自身の大統領選落選を不満とする暴徒の国会議事堂千 占拠を扇動した。明らかに大統領として異常な言動であり、残りの任期が僅かであっても、議会内から、即座の修正憲法 25 条 4 節の適用が持ち上がったが、継承者であるペンス副大統領が拒否した。

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