Science 糖尿病と歯周病 ~基礎研究からその問題点を考える~ ①
成瀬 桂子(愛知学院大学歯学部内科講座主任教授)さんの小論文を載せる コピーペー:
はじめに
糖尿病と歯周病に関する疫学研究、臨床研究の多くは、糖尿病と歯周病の双方向性の関係を示すものであり、一部には糖尿病合併症と歯周病との関連も示唆するものがある。しかしながら、大規模臨床試験の数は少なく、その評価がいまだ定まっていないのも自実である。糖尿病患者の臨床研究では、患者背景や糖尿病に対する治療を統一することが難しく、その評価が複雑になってくる。そこで、ここでは、研究成果を基に、基礎研究より糖尿病と歯周病の関連について考えてみたい。
1. 疫学研究、臨床研究から見た糖尿病と歯周病の双方向性の関係
糖尿病と歯周病の双方向性の関係は、多くの疫学研究、臨床研究が示している。既に1960 年に Williams らは、歯周病治療により糖尿病患者のインスリン必要量がが減少することを報告した。1990 年には Nelson らが、2型糖尿病が歯周炎の有病率及び発症率と関連することを報告、1993 年にLoeらが、歯周病が糖尿病の合併症の一つであるという認識が広がった。
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