日記・コラム・つぶやき

2018年5月27日 (日)

どうなる!「働き方改革」 ②

続き:
 労働基準法改正案の議論を複雑にしているのが、高度プロフェッショナル制度(高プロ)の導入と、裁量労働制の対象業務の拡大が盛り込まれた点にある。いずれも今の労働時間規制が大きく緩和される制度だ。
 高プロは専門職で年収が高い人を労働時間規制から外す制度のこと。2007年に第1次安倍政権が導入を断念したホワイトカラーエグゼンプションに似た制度だ。
 裁量労働制は実際に働いた時間ではなく、あらかじめ労使で決めた時間だけ働いたとみなす制度の事。例えば、労使で1日9時間と決めたとしよう。その場合、実際に10時間働いたとしても、法定時間を超える時間外労働は1時間とされ、1時間分の割増賃金しか支払われない。
 裁量労働制には専門業務型と企画業務型という2つのタイプがある。専門業務型は新聞記者や弁護士などを対象にしており、企画業務型は経営の中枢で企画や調査の仕事にあたる人々を対象にしている。今回の改正案では、企画業務型の対象業務を広げる内容が入る予定だった。
 2つの規制緩和は、もともと2015年4月に閣議決定された労働基準法改正案に盛り込まれていた。この時の改正案には、そのほか、時間外労働が月60時間を超えた場合の割増率を中小企業についても大企業並みにすることや、年次有給休暇を取得させることを企業に義務付けることなどが含まれていた。
 2015年改正案は国会に提出されたものの、2年以上審議されずに店晒しにになったいた。高プロも裁量労働制拡大に野党の反発が強く、審議の難航が予想された上、その後、働き方改革の議論がスタートしたことなどが背景にある。連合も2つの規制緩和には反対姿勢だった。
 高プロも裁量労働制も実現会議では主要な議題になったことはないが、経済界の強い要請を反映する形で実行計画では「早期成立をはかる」とされた。厚労省はその後、実行計画に基づく改正案と2015年改正案を一本化する方針を打ち出し、労政審では労働側委員の反対を押し切った。
 2017年秋の衆議院解散で2015年改正案自体は廃案となっているが、内容はそのまま働き方改革関連法案に一本化されることになった。
 野党は、高プロも裁量労働制の拡大も長時間労働に繋がるとして反対する姿勢をとっていた。通常国会では、関連法案の閣議決定前から予算委員会で議論の対象になった。
 議論の流れを大きく変えたのが、裁量労働制を巡るデータ問題だ。
 発端は、1月29日の衆議院予算委員会。立憲民主党の長妻昭議員と安倍首相のやりとりだ。
 この日、長妻議員は裁量労働制の危険性を指摘し、「岩盤規制にドリルで穴を空けるという考え方を改めて頂きたい」と安倍首相に迫った。安倍首相は「岩盤規制に穴を空けるには内閣総理大臣が先頭に立たなければならない」と応じ、裁量労働制について「厚労省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」と続けた。
 安倍首相が言及した、裁量労働制の方が労働時間は短くなるという根拠は何か。その詳細が明らかになったのは、1月31日の参議院予算委員会における加藤勝信厚労相の答弁だ。
 加藤厚労相は、データの根拠として、「平成25年度労働時間等総合実態調査」を上げ、平均的な一般労働者の労働時間が9時間37分であるのに対し、企画業務型裁量労働制で働く労働者の労働時間が9時間16分と短いことを紹介した。
 総合実態調査は2013年10月の労政審労働条件分科会で報告されている。ちょうど裁量労働制の拡大が議論され始めた時期だ。
 この問題に早くから注目し、問題提起をしたのが上西充子・法政大学キャリアデザイン学部教授だ。
 上西教授は総合実態調査を確認し、安倍首相や加藤厚労相が示した一般労働者と企画業務型裁量労働制のデータが、「平均的な者」のみを取り出して比較したことである事を指摘した。「平均的な者」とは、多くの人が属する層のことを示しており、全体の平均値では無かった。
 そもそも総合実態調査には、一般労働者のデータは存在しなかった。― 9時間37分という数字の根拠が明らかになったのは、2月9日の衆議院予算委員会だ。加藤厚労相一日の時間外労働の平均値である1時間37分に法定労働時間の8時間を加算したものであると説明した。
 裁量労働制と計算方法が異なる上、法定の8時間を下回る時間しか働いていない労働者を含む可能性がある事が明白になった。
 その後もデータに異常値がある事が次々に明らかになり、調査の信用性が揺らぐ。
 加藤厚労相の答弁も徐々に不安定になり、データの精査を約束する事態に追い込まれた。2月14日には安倍首相が1月29日の答弁撤回して、謝罪。安倍首相が国会で発言撤回するのは極めて異例の事だ。
 それでも問題は収束しない。
 厚労省は2月19日、衆議院予算委員会の理事会に実態調査を精査した結果を報告した。そこでは、一般労働者には「最長」の時間外労働を尋ねる一方、裁量労働制の適用労働者には単に労働時間を尋ねていたことが明白となった。
 質問の仕方自体が、一般の労働者の労働時間が長くなる聞き出し方をしていた。これでは、初めから比較すること自体不適切だったのだ。
 調査の杜撰さが次々と明らかになり、裁量労働制を巡る議論は収拾がつかない状況になった。メディアの世論調査でも裁量労働制の拡大に懸念を示すデータが出るようになる。
 こうした状況を受けて、安倍首相は2月28日夜、与党幹部と会談して、働き方改革関連法案から裁量労働制の拡大に関する部分を削除することを決定。
 3月1日の未明には、この方針を記者団に表明している。



2018年5月26日 (土)

どうなる!「働き方改革」 ①

澤路毅彦(朝日新聞編集委員)さんは、述べている。コピー・ペー:
 安倍晋三首相は、今年の通常国会を「働き方改革国会」と名付け、働き方改革関連法案の成立に意欲を示した。政府は当初、2月中に関連法案を閣議決定し、予算関連法案成立後の国会審議、成立というスケジュールを描いていた。しかし、裁量労働制の拡大関わるデータ問題や学校法人・森友学園への国有地売却を巡る公文書改ざん問題で国会情勢は揺れている。2918/03/26、時点で、まだ関連法案の閣議決定はされていない。
 課題は、働き方改革に関するこれまでの議論を振り返り、論点整理することにある。但し、公文書改竄問題で政権の支持率は急落している。今後の政治情勢が関連法案の行方に大きく影響する可能性があることをあらかじめお断わりしておく。
 働き方関連法案は、労働基準法、パートタイム労働法、労働者派遣法、労働契約法、労働安全衛生法、じん肺法、労働時間等設定改善法の8本の改正案を束ねたものだ。
 法案の原型は、「働き方改革実行計画」にある。首相が議長を務める「働き方改革実現会議(以下、実現会議― 略)の議論を経て、2017年2月にまとめられた。実現会議には、樋口美雄・慶応大学教授(労働政策審議会会長)、水町勇一郎・東京大学社会科学研究所教授らの有識者に加えて、榊原定征・経団連会長、三村明夫・日本商工会議所会頭、神津里季生・連合会長という労使のトップが参加したのが特徴だ。実現会議は2016年9月から10回開かれた。
 計画がまとまった後、労働政策審議会(労政審)の各分科会で議論が詰められ、2017年9月に法案要綱が示された。その後、施行時期が修正されたが、法案の大枠は変わっていない。
 実現会議がスタートした当初、「働き方改革」の目玉は、長時間労働の対策と、非正規雇用の処遇改善を目指す「同一労働同一賃金」の2つとされたいた。前者は労働基準法、後者はパートタイム労働法、労働者派遣法、労働契約法の改正に関わっている。
 労働基準法改正案に盛り込まれた長時間対策の重要なポイントは、時間外労働の罰則付き上限規制だ。
 今でも労働基準法には1日8時間、1週40時間という労働時間の上限がある。この法定労働時間を超えて働かせることは、原則として違法とされる。但し、過半数労働組合や職場の過半数を代表する者と労使協定を結び、労働基準監督署に届ければ、法定労働時間を超えて働かせることが出来る。
 この労使協定は労働基準法三六条に定められているため、三六(サブロク)協定と呼ばれる。
 三六協定を定める場合でも、時間外労働の上限を月45時間、年360時間とする大臣告示がある。ただ、この大臣告示に法的拘束力は無い。また、業務が繁忙であるなど特別な事情がある場合には、この上限を超えてもいいことになっている。これを特別条項といい、特別条項には上限がない。日本の労働時間規制が事実上青天井になっているとしばしば指摘されるのは、こうした理由による。
 改正案では、労使が協定を結んでも上回ることができない時間外労働の上限を罰則付きで定める。原則は月45時間、年360時間だ。繁忙期などには例外で許されるが、その場合でも年間の上限を720時間とし、1ヵ月当たりの上限も単月100未満、2~6カ月平均で80時間以下とする。例外が許されるのは、年間6回、つまり6カ月に限る。
 時間外労働に上限を導入する歴史的意義を強調する指摘がある一方で、改正案内容には批判も根強い。
 大きな論点は、例外の単月100時間未満、3~6カ月平均80時間以下という上限が、長時間労働対策として十分か、という点だ。100時間、80時間という数字は、現在の脳・心臓疾患の過労死認定基準が根拠になっている。
 この為、過労死・過労自殺の遺族からは、「過労死する水準を法律で認めることになる」という声が上がっている。
 技術的な課題も残っている。原則と例外が規制している対象が異なっている点だ。原則は現在の大臣告示をそのまま使っているため、本来の時間外労働だけしか規制対象としない。一方、例外の単月、2~6カ月平均の上限に使われた過労死認定基準の数字は、休日労働も含んでいる。このため、休日労働も含めると、理論上は、毎月80時間、年間960時間迄法定労働時間を超えて働かせてもいい事になってしまうのだ。





2018年5月25日 (金)

「働き方改革」 実例(2)

続き:熊日の2018/05/17、の記事によると、現在 自民党、公明党が慌てて「働き方改革」なる法案を2018/05/25、に衆議院厚労委員会で採決強行しようとするけれども、国民は次々、続々と出てくる「過労死問題」に目をそらすわけにはいかない。
 
 それで、2018/05/17、「過労死― 実例(2)」をコピー・ペー:
 テレビ朝日(東京都港区)でドラマを担当しているプロデューサーの50代男性が、2015年2月に心不全で死亡したのは長時間労働による「過労死」だったとして、三田労働基準監督署が同年に労災認定していたことが2018/05/16、関係者への取材で分かった。
 三田労基署は、男性が労働時間の制限を受けない「管理監督者」に当たるとする一方、月に130時間に及んだ時間外労働(― 残業)と死亡の因果関係を認めた。TV局職員の過労を巡っては、2013年にNHKの女性記者(当時31)が過労死したことが判明しており、メディア業界の過酷な労働環境が改めて浮き彫りとなった。
 テレビ朝日は、「極めて重く受け止めております。社員の命と健康を守るための対策をより一層進めてまいります」とコメント。
 関係者によると、男性は13年7月、出張中にホテルで狭心症を発症。病院に搬送され一命を取り留めたが、低酸素状態による脳障害が残ると診断された。三田労基署は、狭心症発作前の3ヵ月の残業が約70~130時間に達し、過労死ラインとされる月80時間を超えていたことを確認していた。同年10月に労災と認めた。
 男性は療養を続けていたが、2015/02、心不全で死亡した。三田労基署は長時間労働との因果関係を認め「過労死」と認定した。
 テレビ朝日は裁量労働制を適用している制作部門で、残業が月に160時間を超える職員に対してのみ対策を行っていたが、三田労基署は基準を引き下げるように指導。管理職の推定労働時間も管理し、時間数に応じた対策を実施するように求めた。





2018年5月24日 (木)

「働き方改革」 実例(1)

熊日 2018/05/17、の記事によると、
 東京都豊島区の IT 企業で、あらかじめ決まった時間を働いたと”みなし”裁量労働制を適用されて働いていた当時28歳の男性社員が2017年、「くも膜下出血」で死亡し、池袋労働基準監督署が2018年4月に「過労死」としてやっと労災認定していたことが2018/05/16、に分かった。その遺族代理人の川人博弁護士が明白にした。
 労基署は男性が死亡する直前の裁量労働制が適用された期間を含む2ヵ月間で、「過労死ライン」とされる月80時間を超える月平均87時間45分の残業があったと認定した。
 最長では月184時間30分の残業をしたこともあった。
 川人弁護士によると、男性が勤めていたのは、不動産会社で使うシステム開発を手掛ける「レックアイ」だった。男性は2013年に入社し、システム開発や顧客との打ち合わせを担当していた。2017年にはチームリーダーに昇格して、専門業務型裁量労働制が適用されたが、2017/08/中旬、自宅アパートで倒れているのが見つかり死亡が確認された。2017/10、に男性の両親が労災申請した。
 男性は長時間労働が常態化していた。これが、自民党を含む与党提出の「働き方改革」法案の一括提出の姿である。国民は如何― 考えるだろうか。





2018年5月23日 (水)

裁量労働制について ⑤

続き:
 最後に、濫用へに対処が出来るのか、という問題を取り上げる。2017/12/25、に厚労省東京労働局が野村不動産に対し、裁量労働制の違法適用があったとして特別指導を行った事が、大々的に報道された。
 朝日新聞の2017/12/27、の記事によれば、裁量労働制の適用が認められないマンションの個人向け営業等の業務に就く社員に対し、全社的に制度を適用していたという。全社員1900人のうち、課長代理クラスと課長クラスの社員計約600人に裁量労働制を適用していた。
 この事例は野党によって、濫用の事例として言及されたが、答弁では厳正な対処を行った実績であるかのように答弁していた。
 たとえば2018/01/29、の衆議院予算委員会では、希望の党の大西健介議員に対し、安倍首相は野村不動産への特別指導の実施とその公表に言及したうえで、「政府としては、制度が適正に運用されるよう、今後とも指導を徹底してまいります」と答弁している。
 しかし2018/03/04、の朝日新聞は、この特別指導の背後に裁量労働制を違法適用された男性社員の過労自殺と労災認定があった事を報道している。新宿労働基準監督署が把握した男性の残業時間は、1ヵ月で180時間超にも及んだという。労災認定の日は野村不動産の特別指導の翌日の2017/12/26、であり、特別指導を行った事を厚労省東京労働局が記者発表をしたのと同日のことであったことも判明。
 この報道を受けて、現在、国会で野党が追及しているが、政府は過労自殺とその労災認定について、個人情報にかかわることとしてその事実を認める事を拒否しているのだ。しかし、この特別指導には不可解な点が多い。―― <詳しくは筆者(上西充子 ヤフー記事「野村不動産における裁量労働制の違法適用に対する特別指導―隠されていた労災認定と、特別指導の不透明さ」(2018/03/22)を参照。>
 特別指導の名のもとに労働局長が社長を呼び出し指導したのは この例が最初であり、特別指導には根拠規定が無いことも明白になった。特別指導の前に加藤大臣には3回の報告がされているのだが、特別指導そのものは、答弁書によれば決裁書も無く行われたというのだ。
 世間に知られていなかった野村不動産における裁量労働制の濫用に対し、わざわざ企業名を公表して異例の特別指導を行い、その結果を記者発表して報道を大々的にさせたのは何故か。
 もし遺族が労災認定の記者会見を行えば、電通の高橋まつりさんの労災認定の記者発表が長時間労働への社会的な問題意識を大きく高めたように、裁量労働制の濫用が社会問題として注目され、――― 裁量労働制を拡大しようとする政府方針への大きな逆風になる。
 だから先手を打って異例の特別指導を行ったのではないか、という疑いがある。
 過労死が起きて遺族が労災を申請したのちに初めて裁量労働制の濫用が明らかになったのであれば、これは裁量労働制の濫用に適切に指導できた事例ではなく、取り返しのつかない事態を招いて初めて問題が表面化した事例と見なければならない。
 企画業務型裁量労働制は対象業務の範囲が曖昧であるし、労働時間管理が疎かになりがちであるため、労働者が濫用を問題にすることは、通常の労働時間管理の下での残業代の不払いの場合以上に難しいだろう。
 今でもこうやって大手有名企業で大規模に濫用が行われており、それが過労死という悲劇を経なければ表面化してこなかった事を考えれば、大幅な対象拡大が行われたときに適切な指導を期待するのは無理だ。
 労働基準監督官の大幅な増員が計画されているわけでも無い。濫用には適切に指導を出来るかのようにした国会答弁は、その論拠が崩れていると言わざるをえない。
 以下、企画業務型裁量労働制の拡大をめざした安倍政権の論拠がいかに策略に満ちたもの、根拠が脆弱なものであるかを見てきた。働き方改革が働く人の視点に立ったものでは無い事は、裁量労働制の拡大を強行しようとした国会審議から明らかになってきている。高度プロフェッショナル制度はさらに、それを正当化する論拠を欠くものだ。一括法案を数の力(与党だけ)で強行採決することは、認められない。
 






2018年5月22日 (火)

裁量労働制について ④

続き:
 「ねつ造データ」の追及ののなかで野党がたびたび言及したのは、労働政策研究・研修機構(JILPT)による裁量労働制の労働者調査結果だった。それによれば専門業務型も企業業務型も、裁量労働制の下で働く労働者は、通常の労働時間制の下で働く労働者よりも、長時間労働者の割合が高く、実労働時間の平均を見ても長い結果だった。
 この調査結果の内、労働時間に関する部分が、法改正に向けた審議を行う労働政策審議会労働条件分科会に、あえて提供されなかった疑いが濃いのだが、その点を詳述する紙面のスペースが無い。
 ともかく、このJILPTの調査結果をもとに野党が追及を深めていくと、安倍首相はJILPT調査を逆に利用し、JILPT調査では裁量労働制のもとで働く労働者の満足度は高いという結果に積極的に言及し始め、それを裁量労働制の拡大に向けた論拠であるかのように答弁し始めた。
 「データ問題」でかなり追い込まれた状況に陥っていた2018/02/26、の衆議院予算委員会では、希望の党の玉木雄一郎議員の質疑に対し、安倍首相は企画業務型裁量労働制の労働者では「やや満足」も合せれば8割の方が満足しているという結果を示し、「自由な働き方をしたいという方がおられるのは事実」「そういう要請もあります。そういう要請にこたえていくことも大切」「そういう要請があるということは、これ、厳然たる事実でございまして」と答弁していた。
 しかしこの答弁は、不適切である。まず、この調査は設計上、満足度が高くなっても不思議ではないものだった。調査は企画業務型裁量労働制の決議届または定期報告がある事業場に対し、企画業務型の労働者2名に人事担当者から調査票を配布して、労働者本人が回答して直接郵送で返信する形で実施されていた。
 回収率は労働者調査全体で2割弱だ、問題を抱えた事業場はこの回答に協力無し、の可能性が大である。また、配布対象者2名を人事担当者が選ぶ際にも、長時間労働になっている者や不満を抱えている者では無い者を選んで調査票が渡されていた可能性があった。
 従って、「満足」36.4%、「やや満足」41.5%を合わせて8割が満足しているといっても、回答者の偏りを考える必要がある。
 また不満の者の理由を無視するわけにはいかない。「やや不満」15.5%「不満」4.6%と、合せて2割が不満を抱いているが、不満な点(複数回答)は、「労働時間(在社時間)がながい」(45.1%)、「業務量が過大」(40.0%)、「給与が低い」(31.1%)と、まさに裁量労働制が抱える構造的な問題が浮き彫りになっている。
 過大な業務量を課されるのに、「みなし労働時間」分だけの給与で長時間労働を強いられる、そのことに対する不満なのだ。
 このJILPT調査では、裁量労働制に対する意見・要望も自由記述で尋ねている。結果は、調査報告書には無収録だが、立憲民主党の長妻昭議員がJILPTに対しその自由記述のデータの提出を求め、現在、厚労省抽出分の企画業務型裁量労働制の労働者の自由記述が提出されている。
 それによれば、満足度が低い者(「やや不満」、「不満」、および満足度無回答の者)では、「会社側が残業代を合法的に抑制するため単なるツールとなっている」「残業代が抑制されているだけ」「会社が違法残業を合法化する手段として導入しているように感じる」など、残業代の抑制に裁量労働制が使われていることへの不満が強く表れている。
 「年収が減った上に、会社から求められる要求の量、レベルが上がった」「業務量が多くなり、労働時間も増え、裁量の範囲を超えている」など、業務量がさらに増えたとする記述も沢山見られる。
 「定額働かせ放題」なることがもたらした弊害だ。「みなし残業20時間/月に対し、実際の裁量労働制対象社員の直近の平均残業は月に40時間を超えている」という声がある。「現行制度は残業代の抑制に資するのみであり、労働者にとってのメリットは皆無と言って良い」という声は、無視できないものであろう。
 また、「満足」と回答した者の自由記述にも、「個人への業務の割り振りがポイントになる(過重労働について)。その意味でも上司の管理能力の向上が必須と思う」などの書き込みみられ、業務型の調節が適切に出来てはじめて機能する仕組みであることがうかがわれる。
 適切に運用されているところでは満足できる働き方である場合もあるのだろうが、「定額働かせ放題」への誘因が強く働く仕組みである為、労働組合が強力に関与できるような条件がなければ、適正な運用を続けていくことは構造的に困難な仕組みだろう。
 安倍首相は答弁で、不満な者が2割を占めることに対し、健康確保措置を取ることと、みなし労働時間と実労働時間の乖離に対する指導できる根拠規定を設けることで対処できるかのように答弁しているが、健康確保措置は選択制で健康診断の実施でもよいとされているものだ。指導についても、適正な労働条件の確保のための指針を定め、裁量労働制に関する決議を行う各事業場の労使委員会の委員に対して必要な助言指導を行えるための根拠規定を新たに設けるとしているに過ぎず、その指導助言に従わなくても何の罰則も無い。
 さらに、現在、企画業務型裁量労働制が適用されている者の満足度が高いとしても、これから拡大する対象者がそれを望んでいることを意味するわけではないし、その対象者の満足度が高くなることが保証されているわけでもないのである。
 先に紹介した答弁で安倍首相は、満足度が高いというアンケート結果を示して、「そういう要請があるということは、これ、厳然たる事実でございまして」と語っているが、これは全く的外れな答弁だ。拡大が予定されていた対象者は、裁量のある働き方がより困難な者である 前記の自由記述に見たような不満が、対象拡大した場合にはさらに顕在化する可能性は高い。
 したがって、現在の適用対象者の満足度がアンケート結果では高いとしても、そのことは対象を拡大すべき論拠にはならない。





2018年5月21日 (月)

裁量労働制について ③

続き:
 働き方改革関連法案に裁量労働制の拡大と高度プロフェッショナル制度の創設を首尾よく盛り込んだ安倍政権は、国会審議における野党対策も考えていた。「ねつ造データ」はその1つだ。しかしその策略は、早期に破綻。
 1月29日、の衆議院予算委員会で立憲民主党の長妻昭議員は、裁量労働制の下で働き、過労死に追い込まれた事例を多数列挙して、裁量労働制が拡大すれば労働時間の歯止めが無くなり、過労死が更に増大するという「全国過労死を考える家族の会」の懸念の声を伝えた。
 それに対し安倍首相が答弁したのが問題の「ねつ造データ」である。
  厚労省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均な、平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもあるということは、御紹介させていただきたいと思います。
 と安倍首相は答弁し、データを示して反論した形となったのだが、これが事実をねじまげた「ねつ造データ」だった。筆者(上西)は1月31日、に加藤勝信大臣が調査名(平成25年度労働時間等総合実態調査)と時間数に言及した事から、実際の調査結果に当たり、疑問点を2月3日、以降、ヤフーの5本の記事(ヤフーニュース個人)にまとめ、世間に問うた。
 1本目の記事は、「なぜ首相は裁量労働制の労働者の方が一般の労働者より労働時間が短い『かのような』データに言及したのか」(ヤフーニュース 個人、2018/02/03)。「ねつ造データ」の問題点については、2018/02/21、の衆議院予算委員会中央公聴会にて公述人として筆者(上西)が意見陳述を行ない、その公述原稿を同じくヤフー記事にまとめて公表した(2018/02/21)。
 この記事の疑問点を野党が質疑で取り上げ、また、野党合同ヒアリングで厚労省に対し疑問点を追及していく中で、この答弁がまったく正当な根拠を欠いていた事が明らかになって行く。
 簡略に問題点を指摘すれば、一般労働者の9時間37分という数値は調査結果に無いものであり、法定労働時間の8時間に、「平均的な者」の「最長」の1日の法定時間外労働の平均を足して算出した数値だった。
 他方で企画業務型裁量労働制の労働者の9時間16分という数値は、「平均的な者」の「労働時間の状況」(実労働時間とは異なるもの)を単に尋ねたものだった。
 そもそも比較できないものを無理に比較している事、一般労働者については「最長」の1日の法定時間外労働のデータを利用している事、8時間に満たない勤務状況の者を無視している事など、幾重にも問題のある比較だったのだ。
 しかし、2月5日から始まった野党の追及に対し、2月14日に安倍首相が答弁を撤回するものの、データについては「精査」していると言い続け、一般労働者の数値に「最長」の日のデータを利用していた事を厚労省が明らかにしたのは2月19日になってからだった。
 また、個票データを提出させたところ異常値とみられるものが多数見つかったのだが、それについても政府は「精査中」との答弁を続け、裁量労働制に関するデータの撤回を行ったのはようやく2018/03/23、になってからだ。
 データは撤回されたものの、誰がこのような「ねつ造」と言える比較データを答弁用に作らせたのかは、まだ判明していない。このような比較が不適切である事は厚労省の担当者は分かっていたはずであり、裁量労働制の拡大のための論拠として、無理やりねつ造された比較データであったと判断して良い。
 実はこの「ねつ造比較データ」は、2015年法案の閣議決定直前の2015/03/26、に厚労省から当時の民主党の部会に提示されたものであり、2015年と2017年の塩崎恭久厚労大臣(当時)の答弁でも使われていた。
 問題の淵源は、2015年の労基法改正案(残業代ゼロ法案)までさかのぼるのだ。安倍首相も加藤大臣も、用意された答弁を読んだだけだと問題を厚労省に押し付けており、誰がこのような「ねつ造比較データ」の作成を命じたのか、真相究明に乗り出す姿勢を示していないのだ。





2018年5月20日 (日)

裁量労働制について ②

続き:
 裁量労働制とは「みなし労働時間制」の一種であり、労働時間の計算を実労働時間ではなく「みなし」で行うことを認める制度。例― みなし労働時間を9時間と定めれば、実際には11時間働いたとしても、1時間分の残業代相当の手当だけを支給すればよい。
 日本労働弁護団は裁量労働制を「定額働かせ放題」と批判している、それは正に、残業代を気にしない長時間働かせることが出来てしまう制度だ、これまで違法な不払い残業であったものを合法化出来てしまう制度。
 そのため現在の労働基準法では、業務の性質上、その遂行方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要がある為、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしない事とする業務に限定される。
 具体的には専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制の2種類で、今回の法律改正で拡大が狙われているのは企画業務型裁量労働制度なのだ。
 企画業務型裁量労働制は「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務」を対象として、労使委員会の委員の4/5以上多数により必要事項を議決して、行政官庁に届け出る事を条件としている。
 専門業務型は1987年の労基法改正によって、企画業務型は1998年の同法の改正によって、導入。適用対象者数を厚労省は公表せず、それで、日本共産党の小池晃議員が2017年6月に国会で労働者数と事業場の数は、2014年度― 67,558人(2513事業所)、2015年度― 71,826人(2830事業所)、2016年度― 74,299人(3090事業所) と報告。
 この企画業務型裁量労働制について、働き方改革関連法案の要綱では2類型の追加が予定されていたのだ。1つは、「事業の運営に関する事項に就いて繰り返し、企画、立案、調査及び分析を主として行うと共に、これらの成果を活用し、当該事業の運営に関する事項の実施状況の把握及び評価を行う業務」である。
 もう1つは「法人である顧客の事業の運営に関する事項に就いての企画、立案、調査及び分析を主として行うと共に、これらの成果を活用し、当該顧客に対して販売又は提供する商品又は役務を専ら当該顧客のために開発して、
 当該顧客に提案する業務(主として商品の販売又は役務提供を行う事業場において当該業務を行う場合を除く。)」というものだ。
 どちらも対象範囲が曖昧で、幅広くホワイトカラーに適用されるおそれがある。嶋崎量弁護士は、前者については、「係長」や「チームリーダー」程度の者も含み、さらに広く見れば、あらゆるホワイトカラー労働者がこの適用対象に含まれると扱われる可能性があると指摘。
 後者についても嶋崎は、法人相手の営業職は、すべて対象とされると考えて良いだろう。と判断している。そして嶋崎は、このような裁量労働制の拡大をねらう意図として、現在はグレーな運用を行っている制度について、合法化する狙いがあると指摘する。一定の管理職を労基法上の管理監督者として扱って残業代ゼロとしている運営や、営業職を「事業場外みなし労働時間制」や固定残業代制度の悪用に依って残業代ゼロとしている運用が、裁量労働制の適用により合法化出来る、という悪法が狙いだ。
 裁量労働制は高度プロフェッショナル制度とは異なり年収要件も無いため、この対象拡大が実現すれば大きな影響をもたらす可能性がある。
 それにもかかわらず、否、だからこそと言うべきだろう、安倍政権は裁量労働制の拡大が働き方改革関連法案に含まれる事を、極力隠してきた。
 そもそも、この裁量労働制拡大と高度プロフェッショナル制度の創設は、2016年9月から2017年3月にかけての働き方改革実現会議では、議題にあげられて無った。その前の2015年に国会に提出されていながら審議はされず継続審議扱いになっていた労基法改正案(所謂 残業代ゼロ法案)に盛り込まれていた― そのものを2017年の8月になって、時間外労働の上限規制等と共に、1つの労基法改正案の中に統合する事が労働政策審議会で提案され、労働者代表委員の反対を押し切って9月に法案要綱にまとめられたもの。
 また2015年法案には、裁量労働制の拡大と高度プロフェッショナル制度の創設が盛り込まれたのも、労働者代表委員が1人もいない産業競争力会議と規制改革会議で議論されたものが2014/06/24、に「『日本再興戦略』改訂2014」として閣議決定され、政府方針として労働政策審議会に押し付けられた結果であった。





2018年5月19日 (土)

裁量労働制について ①

上西充子(法政大学教授)さんの論文より: コピー・ペー
 働き方改革とは「時間外労働の上限規制」と「同一労働同一賃金」(非正規の待遇改善)のことだとの印象を固めた上で、裁量労働制の拡大と高度プロフェッショナル制度の創設は、抱き合わせの、一括法案の中に、「柔軟な働き方」という曖昧な言葉を溶け込ませてきた。
 2017/09/25、衆議院解散時の記者会見では、「働き方改革」に一言も触れず、「生産性革命」と「人づくり革命」を2つの大改革と安倍首相は語った。
 にもかかわらず「データ問題」の紛糾によって、不本意な形で裁量労働制に世間の注目が集まるようになり、法案からの削除に追い込まれた。
 しかし、安倍政権は、裁量労働制の拡大をあきらめたわけではなく、来年には再度、法案化は狙われている。また、労働基準法の労働時間規制をすべて適用除外する過激な規制緩和策である高度プロフェッショナル制度に就いては、野党や、労働団体、「全国過労死を考える家族の会」の方々などの強い反対にもかかわらず、働き方改革関連法案に盛り込む姿勢を変えていないのだ。
 このような情勢下で、改めて裁量労働制を問い直す。特に今回、拡大が見込まれていた、企画業務型裁量労働制にフォーカスを当てる。
 まず裁量労働制とは何か、どう拡大しようとしていたか、そのアウトラインを整理した上で、安倍政権が裁量労働制の拡大を進めるために3つの論拠を批判的に検討。裁量労働制の方が労働時間は短いとした「捏造データ」、裁量労働制の適用者の満足度は高いという調査結果、そして厳しい指導ができている実績のように語られた野村不動産への特別指導の3つである。





2018年5月18日 (金)

安倍政治の最深部に向かってボーリングせよ! ②

続き:
 朝日スクープ「森友文書 書き換えの疑い」の直後は、TVももっぱら「書き換え」と言っていた。「改竄」を使うときは、野党の見方を紹介する場合にかぎられていた。
 「書き換え」と「改竄」をキーワードで検索し、それぞれの使用分布を調べてみた「書き換え」は全般に分布いているが、財務省がオリジナルの決裁文書を公表した3月12日以前に多い。13日から、TVのテロップは公文書「改竄」事件に変わった。最も早く、広範に「改竄」を使いはじめたのはテレビ朝日、次いでTBS。「改竄された文書」、「文書の大量改竄」などが多用されるようになった。
 内容も「書き換え」より踏み込んで、「公文書の改竄は民主主義の根幹を掘り崩す」とか「改竄の衝撃、官僚の忖度では済まぬ」等、政府の対応に批判的になって来た。
 処が、NHKに限り、「書き換え」が90%以上を占有、「改竄」は殆ど無し。NHKは、3月27日の証人喚問での佐川氏の証言等から、今後は「改竄」を使うと説明。―― NHKのスクープに期待しよう。
 「改竄」前の決裁文書が公表される4日前の3月8日、財務省は参議院予算委員会理事会に、何故か「改竄」後の文書を出してきた。一瞬、朝日のスコープに影が差したが、野党は財務省の「ゼロ回答」猛反発したため、朝日は”誤報”呼ばわりされるのを免れた。
 3月9日、佐川国税庁長官(前理財局長)が突然辞任。ほぼ時同じくして、森友学園との売却交渉にあたっていた近畿財務局の職員が自殺したという― ニュースが飛び込んだ。発見されたのは3月7日。 麻生財務大臣は3月9日の記者会見では調査中としたものの、事実を知ったのは文書公表の直前の3月11日、「改竄」は佐川前理財局長の答弁との整合性を図るために財務省内で行われていたと3月13日に発言、責任は佐川氏の周辺であるとした。
 同夜、首相官邸前のシュプレヒコールは、佐川前理財局長ではなく麻生大臣、安倍首相の退陣を求めた。これが市民の感覚だ。安倍一強がその頂点で高転びする瞬間をこの場所で見ることになるかもしれない。
 あらためて、3月12日に公表された近畿財務局作成の改竄前の文書を読んで驚いた(神保)。官僚の手になるものとはとても思えないほど記述が細かい。政治家の名前や安倍昭恵夫人の言動が赤裸々に記され、昭恵夫人が森友学園を訪れたときの写真まで添えられている。まるで週刊誌の記事のような仕上がりだ。
 これは担当職員のささやかな抵抗?あるいは「内部告発」のようにも見える。NHKは3月15日、自殺したとみられる職員の遺書に踏み込み、「『決裁文書の調書の部分が詳しすぎると言われ、上司に書き直しさせられた』とか、『勝手にやったのでなく財務省からの指示があった』、『このままでは自分一人の責任にされてしまう』、『冷たい』などという趣旨の内容も書かれていた」と伝えた。
 ところが、なぜか「自殺報道」は3月17日を境に激減してしまう。「真実」は再び漂流し始めた。―― 核心は再度見えなくなった。
 安倍首相は、都合の悪いものを見ようとしない。そして考えようとしない。話が昭恵夫人の責任に及ぶと、すべて自分を通して伝聞形で語り出す。「知らないと言っている」、「そんなことは言っていないと聞いている」などなど。妻をかばうというより、口封じをしているように見える。
 官邸は、夫人の証人喚問を断固として拒否している。複数の秘書をつけ公人のようにされていたが、森友問題を機に昭恵夫人は、閣議決定で早々に私人に「格下げ」された。
 それにしても、籠池夫妻の”国策拘留”、昭恵夫人付き秘書谷査恵子氏のイタリア”亡命”、佐川前理財局長の”主犯化”など目に余る。3月16日、太田充理財局長は、改竄の動機を聞かれて、前任者の国会答弁に合わせるためと繰り返していたが、佐川氏以前の安倍首相らの国会発言も影響していたと語り始めた。
 委員会室にどよめきが上がった。さらに、19日には、参議院予算委員会の共産党小池議員の「なんで国会議員でない昭恵さんの動向が記載されているのか」との質問に対して、太田理財局長が「それは基本的に首相夫人だからということだと思う」と口にしたため、またも議場が騒然となった。
 佐川前理財局長の証人喚問前日の参議院予算委員会で、新たなことがわかった。決裁文書に掲載されて問題になった昭恵夫人の写真は、本省から近畿財務局への指示によるものだというのだ。
 官僚たちの反撃が始まったのだろうか。次のトカゲの尻尾切りが太田理財局長であるという危機感の表れか。
 このところ行政府のお粗末なデータ管理、市民生活への介入が目につく、文科省は前次官前川喜平氏の名古屋市の中学校での講演に稚拙な介入をして赤恥をかいた。遡って、防衛省の南スーダンPKO日報改竄事件、厚労省の杜撰なデータに基づく「裁量労働制」導入の頓挫等、安倍首相は自分が首相であり続けるために、一体、何本のトカゲの尻尾を切ったら気が済むのか。
 証人喚問を終えて、「真実」が危機に瀕していることがわかった。だが、やるべきことはある。「事実の発掘」と「事実の確認」の能力を高めることだ。証人喚問の翌日、参院予算委員会で民進党川合孝典議員が一つの提案をした。国の責任で学校予定地の地下を実際にボーリング調査してはどうかというのだ。
 ここで提案、市民がTVの伝統的な調査報道の手法を真似る。民間業者の協力を得て、地歴が似る敷地周辺の道路をマイクロ波で画像検査をする。そのプロセスをカメラとマイクで記録し、それをマスメディアに持ち込む。
 あとは”権力犯罪”の自壊を待つというのは如何か。





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