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2. 調査方法
1) 使用データと分析対象者
本研究では、北海道後期高齢者医療広域連合から提供を受けた医科・歯科レセプトデータを使用した。ベースライン期間に設定した2016年9月から2017年2月までの6か月間に、北海道に住所地がある75歳以上で医科・歯科レセプトが発生した者のうち。歯科医療機関を受信可能な知度に健康な状態にあるものに限定して分析実施した。除外基準としてベースライン期間に入院経験があった者、在宅医療を利用した者、要介護認定のあった者、死亡した者、アウトカム把握の追跡期間(2017年3月~2019年3月迄の25か月間)に資格喪失・移動・共変量(調整変数)に欠損値があった者を設定し、除外基準の非該当者を傾向スコアマッチングの対象者とした。
曝露変数は、歯科レセプトデータからベースライン期間中に歯科医療を受診した者を「歯科受診あり」とした。アウトカム変数は、入院データから、追跡期間中に対象疾患とする肺炎、尿路感染症、急性冠症候群(急性心筋梗塞、不安定狭心症、),脳卒中発作(脳出血、脳梗塞)の「病名」と「急性期入院医療における治療(投薬、注射、処置、手術等)」の両者が入院発生月に登録されていた場合に、「対象疾患による急性期入院の発生あり」と定義した。
分析で判定した治療行為は、具体的には次のとおりである。
・肺炎:抗菌薬静脈注射(アモキシシリン/ウラブラン酸、セフトリアキソン、他)
・脳血管疾患:アスピリン処方、血栓溶解役薬 [rt-PA]、心臓カテーテル、バイパス術、他
・尿路感染症:抗菌薬静脈注射(セフトリアキソン等)
本分析に用いた共変量は、医科レセプトデータから、ベースライン期間における性別、年齢、医療費自己負担割合(1割または3割)、地域(札幌市を10区に分割した188市区町村)、慢性疾患(21疾患)の有無。また、本研究で対象とした慢性疾患は、関節症・脊髄障害、高血圧、骨粗鬆症、脂質異常症、潰瘍性疾患、糖尿病、認知症、眼科疾患、脳血管疾患、悪性新生物、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、うつ病、虚血性心疾患、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、高尿酸血症、心房細動、貧血、不眠症、泌尿器科疾患、腎不全とし、ベースライン期間の外来レセプトデータに傷病名疑い深い病名を除く)が登録されていた場合に「疾患あり」とsita.