日記・コラム・つぶやき

2018年10月15日 (月)

資本がメディアを先導する ①

倉橋耕平(社会学者)さんの続きの文:コピーペー :
2016年、『オックスフォード英語辞典』が、「世界の今年の言葉」を「ポスト真実 post-truth」とした。イギリスのEU離脱(Brexit)やアメリカ大統領選挙を背景とした決定。アメリカのFacebookにおけるフェイクニュースの記事の本数は、最終的にマスメディアの報道よりよりも上回ったという。
 同時に大きな話題となったのは、大統領選においてトランプ支持のフェイクニュースを掲載した200以上のサイトが、マケドニアの小さな街ヴェレスで作られていたと判明したこと。制作者の若者たちにトランプへの政治的支持はなかった。むしろここには、英語圏という巨大広告市場、物価差による相対的に高価な広告収入、ニュースサイトを作るキットの流通といった経済的な背景や動機が大きく関わっているのである。
 現在 IT. における広告は、一方でビジネス、他方でプロパガンダやパブリック・リレーションズとして用いられている。ワールド・ワイド・ウェブ(www) 規格の生みの親ティム・バーナーズ=リーは、こうした IT. と広告現状について、英ガーディアン紙のウェブインタビューで、次のように警鐘を鳴らす(2017/03/12)。
  政治的オンライン広告は急速に洗練された業界になっています。ほとんどの人がわず
  かなプラッタフォームから情報を得ている事実と、豊かな個人情報を利用したアルゴリ
  ズムの高度化に伴い、政治的キャンペーンが、現在、ユーザーを直接対象とした個別
  の広告を構築していることを意味します。ひとつの情報源によれば、2016年の米国選挙
  では、Facebook上で毎日5万種類の広告が配信されていました。(中略)ターゲティング
  された広告では、キャンペーンが異なるグループに、完全に異なる、場合によっては矛
  盾することを言うことができます。それは民主的ですか?
 引用によって指摘されたことの実例がすでに報告されている。大統領選挙期間中に特にアクティブだったFacebookページの一つに、ブラック(黒人)とアクティビズム(社会運動)という言葉をかけ合わせた「Blacktivism」というサイトがあった。
 このサイトはページ訪問者が50万人を超える人気ページとなったが、アメリカ社会の分断を狙うロシア関連企業が制作したプロパガンダ広告と言われている。保守的な傾向を持つユーザーのFacebookには、アフリカ系米国人の活動家たちとイスラム教徒を結び付ける内容の広告が掲載されていた。
 一方アフリカ系米国人ユーザーには警察の暴力的言動や白人至上主義団体を非難する広告が掲載され、黒人たちの怒りを呼び起こすリンクが貼られている。
 いま、IT. 上では、フェイクニュースやヘイトスピーチを蔓延させることがビジネスとして成立している。そして、それで金を儲けようとする者がいる。日本も例外ではない。2017/09/20、クラウドワークスという会社が、「政治系の記事作成。保守系の思想を持っている方限定」で、反日・嫌韓ブログなどの記事を書くライターを募集した(1800~4000文字で800円)。 Twitter で批判を浴びて掲載中止に追い込まれたが、私(倉橋)が確認した中には反フェミニズムの記事の執筆者募集もあった。
          こうした状況をどう捉えるか?          続く。





2018年10月14日 (日)

ネット右翼の存立構造

倉橋耕平(社会学者)さんの論文を載せる。 コピーペー:
 雑誌メディアの変遷と特徴の析出だけでは、現在の右派論壇を理解するのに不十分である。小林よしのりが右派論壇の言説をマンガ表現を通じて論壇誌の外に持ち出し、当時の比較的若い読者を獲得していったのは間違いないだろう。
 しかし、それは IT. が始まる前の時代のことである。総務省の「情報通信白書」に依れば、日本の IT. は、2002年前後まで普及率は50%未満だった。
 そして、2005年前後から「ネット右翼(ネトウヨ)という言葉が広く知られ始めた。そのため「インターネットが今日の右傾化を招いた」とよく言われる。本当だろうか。
 筆者(倉橋)が専門とするメディア論は、このような考え方に懐疑的なスタンスを示している。「技術決定論批判」と呼ぶのだが、「ケータイが登場したからコミュニケーションが希薄になった」「ゲームの登場で人びとが暴力的になった」のように社会現象の原因を技術に求めるのではなく、その技術を必要とする人びとの欲望や文化を踏まえて検討する立場をとる。
 では、この見方から考えると、1990年代と2000年代を比べて、 IT. を巡る状況は如何変わったと言えるのか。
 1990年代までの IT. は、アンダーグラウンド、サブカルチャー、カウンターカルチャーの雰囲気があり、規制も既存法の範囲で対応しているという状態だった。しかし、2000年付近に、99年通信傍受法、01年不正アクセス禁止法、02年プロバイダ責任制限法などが制定され、 IT. は法的な管理対象になっていく。
 他方で、利用者は増え続け、常時接続可能になると、巨大掲示板、ブログ、SNS、動画共有サイト等が乱立し、一大ブームとなっていく。技術革新とともに、00年代以降の IT. は、「コミュニケーション・プラットフォーム」としての性格を強くしていくのである。
 筆者(倉橋)はこのコミュニケーション・プラットフォーム化がメディア文化に重要だと思っている。90年代右派・保守言説のあり方と、05年あたりから蔑称として呼ばれている「ネット右翼」の人たちの「知」のあり方には構造的類似性がある。すなわち、2000年代以降の IT, 上には、1990年代に膾炙した「みんなで話し合って出した結論は正しい」という方法論と非常に相性がよい環境が出来上がったということ。
 IT. というプラットフォームを得て、1990年代に作られた参加型文化と集合知の可視化が加速する。その大きなきっかけは、伊藤昌亮が指摘しているように、02年の日韓翻訳掲示板で起きた、日本の2ちゃんねる利用者による歴史認識問題をめぐる論戦の勝利である。
 この時の論法は、ディベート形式による「論破」志向によるものであると言ってよい。90年代右派の歴史修正主義の議論もディベートをよく好んだ。「歴史を論戦で決める/論破した方が正しい」という価値観は、歴史学における検証手続きとはまったく異なるものだが、現代の「論破」志向の文化は1990年代にすでに確立されていたわけである。
 そして、 IT. で「論破」のフォーマットに快感を得て、自ら知識を探究するわけではなくその手法だけを模倣する「フリーライター」が増殖することになる。
 加えて重要なのは、 IT. というメディアもまた商業化していったことである。「情報通信白書」2015年度版によると、1996年に16億円だった IT. 広告費は、2003年にグーグル・アドセンスのような「運用型広告費(注:末端の利用履歴や、検索結果にあわせて個人個人の画面に異なる広告を出す手法)」が注目を浴びると、一気に1000億円を超え、2009年には新聞広告を抜くことになる。
 電通の最新版の「2017年 日本の広告費」では、IT.広告媒体費は1兆2206億円で、広告費全体の23.6%であり、そのうち、「運用型広告費」が約77%という。
 サイト制作者は、ページビュー数に応じて、こうした広告収入を得ているのだ。
 このことはヘイトや差別的言説をまとめたサイトにもビジネスとしての側面をもたらすことになった。





2018年10月13日 (土)

小児の「口腔機能発達不全症」について ③

続き:
 デンティストは今後、「小児の口腔機能発達評価マニュアル」に沿って子どもの口腔機能を評価し、各ステージにおける機能の獲得が遅延している場合には、歯科医療関係者として適切な対応を取ることが必要になる。
 これまで、定型発達を示す小児(― 健常児)の口腔機能発達の異常については、歯科医療行為として公的医療保険の対象となっておらず、口腔習癖や異常嚥下、口呼吸など、放置すれば歯列・咬合や顎顔面形態に異常を来す状態を発見しても、保険外での診療行為として対応を取らざるを得なかった。
 2018年4月からは、口腔機能発達不全症と診断された子どもたちへの、管理・指導が保険診療報酬の対象となり、歯科における口腔機能管理が重要視されることのなった。
 これは小児期の口腔機能発達不全~老年期の口腔機能の低下への対応へと繋がるライフコースにおける口腔機能の重要性を社会に発信する機会となった。
 今後、まず歯科医療関係者がこの疾病の病態を理解し、有効な対応を取るべきであり、国民への啓発が進んだ段階で、一般の歯科医療機関において子どもたちへの口腔機能の管理が可能な状態となっている必要がある。
 そのためには、摂食嚥下機能、咀嚼機能、構音機能や口呼吸を含む口腔習癖、さらに栄養についての適切な評価と対応を可能にするための研修の充実を図ることが重要だ。
 口腔機能発達不全症への適切な対応は、超高齢社会における健康長寿の実現に向けて、我が国の将来を担う子どもたちの口腔機能を歯科から支えるための道筋になると確信している。





2018年10月12日 (金)

小児の「口腔機能発達不全症」について ②

"

続き:
 前述の経緯から、日本歯科医学会重点研究委員会では歯科医療関係者が小児の口腔機能の発達を正しく評価する上での指標となる「小児の口腔機能発達評価マニュアル」を作成するに至った。
 マニュアルは小児の口腔機能の発達を評価する上で、
◍ ステージ 1:乳児期(出生~生後12か月ごろ)
◍ ステージ 2:幼児期初期(12~18か月ごろ)
◍ ステージ 3:幼児期中期(1歳半~3歳ごろ)
◍ ステージ 4:幼児期終期(3~6歳ごろ)
◍ ステージ 5:学童期(6~12歳ごろ)
          の5つのステージ別に構成されている。
 各ステージにおいて、食べる機能(咀嚼機能、嚥下機能、栄養、食行動)、話す機能(構音機能)、呼吸する機能(口呼吸の有無)の機能別に保護者・保育関係者にとって注意すべき子どもの兆候と歯科医療関係者の対応について記載している。
 また、成育状態による子どもの個人差を考慮し、各ステージにおける歯列の状態を示す。
                    ↓
                   (後で)
 これにより、歯科関係者以外の職種においても暦歴のみで判断することなく、各ステージににおける口腔や歯列・咬合の形態的な成長段階に沿って口腔機能の獲得を評価することを目指している。





2018年10月11日 (木)

小児の「口腔機能発達不全症」について ①

 

「内の目外の目」第190回 木本茂也 (神奈川歯科大学大学院小児歯科学教授)さんの論文を掲載:コピー・ペー 。
 我が国における疾病構造の変化により、小児歯科医療の役割は大きく変化している。小児のう蝕は有病者率、1人平均う歯数ともに減少し、2017年の12歳児1人平均う歯数はおよそ0.8歯となっている。
 かっての「う歯の洪水」時代はすでに終わりを告げ、現在は乳歯列からの健全な歯列・咬合の育成と口腔機能の管理という小児歯科本来の役割が重要視されるに至っている。
 また、厚労省と日本歯科医師会の活動により、高齢者の残存歯は増加し、口腔機能の改善に効果を上げている。
 その一方で、いわゆる健常児とされる子どもの摂食機能に関する問題が顕在化してきている。
 ここでは、超高齢化社会を迎えた我が国の老年期のオーラルフレイルを防止するためのスタート地点となる小児期における「口腔機能管理」を提案するに至った経緯にに就いて紹介する。
 2013年に日本歯科医学会重点研究委員会は、歯科医師の意見を反映させた子どもの食の問題へのアプローチの立案、さらに保護者の要望を踏まえて歯科医師が行うべき事を提示することを目的として、小児の食の問題についてアンケート調査を実施した。
 この調査は小児歯科を標榜する歯科医療機関のデンティストと未就学児の保護者を対象として、質問紙への回答ににより行われた。
 2015年1月に「子どもの食の問題に関する調査」報告書が発行され、日本歯科医学会のホームページ上に公開された。
 その結果、全体の約6割のデンティストが子どもの食に関する問題について相談を受けており、全体の8割以上が子どもの食の問題にデンティストとして改善に向けた取り組みを行うべきであると考えていた。
 一方、実際に子どもの食の問題に何らかの対応を取っているデンティストは全体の45%にとどまり、デンティストとして対応し切れていない現状が明らかになった。
 なお、子どもの保護者からの回答によれば、全体の54%が子どもの食事について心配事があるものの、実際に専門家の指導やアドバイスを受けている保護者は全体の8%にとどまっていた。
 また、歯科医院における保護者の相談内容は、デンティストが受けていると回答した相談内容と異なり、咀嚼機能よりむしろ食行動に関する問題の割合が高いことが判明した。
 このような調査結果を踏まえ、デンティストが子どもの食の問題の改善に向けた具体的指導や管理を実施するために、成長期における口腔機能の発達を評価するための指標作りと歯科医療関係者を対象とした研修の必要性が浮き彫りとなった。





2018年10月10日 (水)

口腔機能低下症について ③

続き:
     <オーラルフレイルについて>
 オーラルフレイルとは、口腔の軽微な低下や食の偏りなどを含み、身体の衰え(フレイル)の一つとされている。後述しますが、こんな症状が一つでも当てはまるような時には、オーラルフレイルであることが考えられますので、注意が必要だ。
 オーラルフレイルは、口腔機能低下症の前段階に位置付けられており、適切な対応により改善が可能と考えられる。
     ※ オーラルフレイルのセルフテェック
       食べ物の量・種類を控えがちになった
        食べにくくなり食事時間が長くなった
       食事中にむせやすくなった
        義歯の具合は悪くないが、噛むのが難しい
       舌が回らず、思い通りに喋れない
       歯や口のせいで、外出を控えるようになった
   <口腔機能低下症およびオーラルフレイルへの対応>
 前述した通り、口腔機能低下症およびオーラルフレイルは、適切な診断と管理により改善が期待される。各々の検査結果より、口腔衛生状態の改善、口腔周囲筋群に対する筋訓練や可動域訓練、歯科的治療、さらには、栄養状態や食形態、生活指導などを検討する必要があります。また、歯科医師、歯科衛生士での対応のみならず、医師、看護師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師、介護支援専門員などの多職種連携による口腔機能管理を進めていくこともとてもじゅうようです。
 





2018年10月 9日 (火)

口腔機能低下症について ②

続き:
1. 口腔衛生状態不良
 視診により、舌苔の付着程度をTongue Coating Index (TCI) を用いて評価する。舌を9分割し、それぞれに対して舌苔の付着程度を3段階で評価、そして合計スコアを算出する。
 TCI が50%以上で――→※口腔衛生状態不良と評価します。
               ↓
          舌苔スコアの基準
          スコア 0 舌苔は全然認められない
          スコア 1 舌乳頭が認識可能な薄い舌苔
          スコア 2 舌乳頭が認識不可能な程の厚い舌苔
      スコアの合計(0~18点)      
      ―――――――――――――  × 100 = (  ) %
               18                               
2. 口腔乾燥
 口腔粘膜湿潤度あるいは唾液量により評価する。
 1) 口腔粘膜湿潤度 : 口腔水分計(ムーカス、ライフ)を使用。舌尖から約10mmの舌背中
   央部における口腔粘膜湿潤度を測定。―→ 27.0 未満で口腔乾燥と評価。
 2) 唾液量  : サクソンテストを行う。乾燥したガーゼを2分間一定速度で噛み、ガーゼに
   吸収される唾液重量を測定、唾液分泌量を測定する。ガーゼの重量増加が 2g 以下
   の場合に口腔乾燥と評価。
3. 咬合力低下
 咬合圧検査あるいは残存歯数により評価する。
 1) 咬合圧検査  : 感圧フィルム(デンタルプレスケールⅡ、GC社)を用いて咬頭嵌合位
   に於いて3秒間クレンチング時の咬合力分析ソフト(バイトフォースアナライザ、GC社)
   で測定。―→咬合力が200N 未満で咬合力低下と評価。
 2) 残存歯数 : 残根と動揺度 3 の歯を除いて残存歯が20本未満以下を咬合力低下と
   評価。
4. 舌口唇運動機能低下
 オーラルディアドコキネシスにより評価する。「パ」「タ」「カ」それぞれの1秒間あたりの回数を測定。いずれかの音節が6回未満/―→1秒間を舌口唇運動低下と評価。
5. 低舌圧
 舌圧測定により評価する。 舌圧測定器 (JMS 舌圧測定器、GC社)を使用して最大舌圧を測定。 舌圧が 30.0kPa 未満で低舌圧と評価。
6. 嚥下機能低下
 嚥下スクリーニング検査あるいは自記式質問票のいずれかの方法で評価する。
 1) 嚥下スクリーニング検査 : 「EAT-10 」を使用して評価します。合計点数が3点以上
   を嚥下機能低下とする。
 2) 自記式質問票 : 「聖隷式嚥下質問紙」を使用して評価する。A(解答)の項目が3つ
   以上を嚥下機能低下と評価する。
7. 咀嚼機能低下
 咀嚼機能検査あるいは咀嚼能率スコア法により評価する。
 1) 咀嚼能力検査 : 2g のグミゼリー(グルコラム、GC社)を20秒間自由咀嚼させた後
   に、10mLの水で含嗽させ、グミと共に吐き出させる。ろ過した溶液中のグルコース
   溶出量を、咀嚼能力検査システム(グルコセンサー GS- Ⅱ、GC社)を用いて測定。
   100mg/dL未満を咀嚼機能低下と評価。
 2) 咀嚼能率スコア法 : グミゼリー ( 咀嚼能力測定用グミゼリー、製造:UHA味覚糖、
   販売:アズワン)を30回自由咀嚼後、粉砕度を評価。―→スコアが0、1、2 の場合
   に咀嚼機能低下と評価。




2018年10月 8日 (月)

口腔機能低下症について ①

藤井航(九州歯科大学口腔保健学科教授)さんの「誌上臨床講座」より。コピー・ペー :
 日本人の4人に1人以上が65歳以上という超高齢社会を迎え、2018年4月の保険改正より新しく口腔機能の低下を認める高齢者の口腔機能管理の評価が新設された。
 これにより診断される「口腔機能低下症」について本稿では解説したいと思います。
<口腔機能低下症とは?>
  従来の器質的な障害であるう蝕や歯の喪失とは異なり、いくつかの口腔機能の低下により複合的な要因により現れる病態のことを指します。早期から口腔機能低下を適切に診断し、管理することによって、さらなる口腔機能低下の重症化を予防することができ、口腔機能の維持や回復することが可能となります。
  口腔機能低下を放置しておくと、咀嚼機能不全や摂食嚥下障害へ進行し、全身的な健康を損なうことになります。
※  口腔機能低下症の基本的考え方 : 日本歯科医学会より引用
 社会性・生活の広がり低下       意欲低下・うつ        
  口腔リテラシー低下(口腔→関心度) ↓  う蝕・歯周病(歯→喪失) 
             ポピュレーションアプローチ
※オーラルフレイル
             滑舌低下 わずかのむせ・食べこぼし 噛めない食品増加
                    ↓
         地域保健事業・介護予防事業による対応
※口腔機能低下症
            口腔衛生状態不良          口腔乾燥
                          ↓
         咬合力低下   舌・口唇運動機能低下   低舌圧
              咀嚼機能低下       嚥下機能低下
 
                          ↓
                    歯科診療所での対応
※口腔機能傷害
           摂食嚥下傷害          咀嚼機能不全
                          ↓
                      専門的な対応
<口腔機能低下症の診断>
  診断基準は次の7つの症状
     ――→口腔衛生状態不良・口腔乾燥・咬合力低下・舌口唇運動機能低下・
         低舌圧・咀嚼機能低下・嚥下機能低下に就いて検査を行い、そのうち
    3項目以上該当する場合に口腔機能低下症と診断します。



2018年10月 6日 (土)

漢方薬処方のポイント―――(2)

続き:
◍コタロー白虎加人参湯エキス顆粒 ―1g―9.4―(口渇:上と同じ)
    解説:同上。
◍ツムラ排膿散及湯エキス顆粒医療用―1g―8.2―(歯槽膿漏、歯齦炎)
    患部が疼痛を伴う可能性の皮膚および口腔、咽喉の腫物に対し、方名の通り排
    膿の目的で用いられる。
    歯肉が紫色で、腫脹、痛みなどがあり、膿汁を出している場合が適応であると考
    えられる。
    歯周炎の急発時において抗菌薬との併用方法が有効であると報告されている。
    また、智歯周囲炎、消炎切開後の疼痛、硬結に有効であるとの報告もある。実証
    から中間証に用いられる。(適応となる舌は、淡紅色を呈し、白苔や微黄苔が多い)
◍コタロー排膿散及湯エキス顆粒―1g―6.3―(歯槽膿漏、歯齦炎:上と同じ)
    解説:同上。
◍ツムラ葛根湯エキス顆粒医療用―1g―8.4―(上半身の神経痛、顎関節症への代表的
     →漢方薬である。)
    上半身の神経痛や筋肉痛にも有効であることから、肩こりなどの症状が強い場合
    や咀嚼筋群の疼痛がみられる場合は有効である。構成生薬である葛根、麻黄、
    桂皮は発汗作用を有し、鎮痙作用や解熱作用もあることから、咀嚼筋にうっ血の
    場合に有効とされる。(証をあまり考えないで処方できる)
◍コタロー葛根湯エキス顆粒―1g―6,4―(上半身の神経痛:上と同じ)
◍クラシエ葛根湯エキス顆粒―1g―6.9―(上と同じ)
◍クラシエ葛根湯エキス錠T―1g―3.7―(上と同じ)
    上の3つは、解説:同上。
◍ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒医療用―1g―7.0―(急激に起こる筋肉の痙攣を伴う痛、
     筋肉・関節痛。)
    急激に起こる筋肉の痙攣を伴う疼痛に有効な製剤で、特に、横紋筋や平滑筋異
    常緊張や痛みに効果がある。芍薬と甘草は鎮静、鎮痙、鎮痛作用、抗炎症作用
    を有し、筋肉の痙攣などによる疼痛に有効。(証余り考えないで処方できる)
◍コタロー芍薬甘草湯エキス細粒―1g―6.9―(上と同じ)
◍ウラシエ芍薬甘草湯エキス細粒―1g―8.1―(上と同じ)
    上の2つは、解説:同上。
◍ツムラ補中益気湯エキス顆粒医療用―1g―23.4―(病後の体力増強、口腔疾患病後
     の体力低下、増強)
    身体虚弱、病気、過労等ですべてに力が無く、倦怠感の強い、胃腸が弱っている
    人。感冒などの炎症性疾患の急性期や増悪期の使用には不適当だ。虚証傾向
    に用いる。(適応となる舌は、ごく薄い白苔である)
◍コタロー補中益気湯エキス細粒―1g―11.3―(上と同じ)
◍クラシエ補中益気湯エキス細粒―1g―21.3―(上と同じ)
    上の2つは、解説:同上。
◍ツムラ十全大補湯エキス顆粒医療用―1g―19.0―(病後の体力低下、口腔疾患により
     体力低下を増強する)
    貧血のように顔色が悪い、全身衰弱、皮膚乾燥、食欲不振および倦怠感著明の
    場合。胃腸がひどく弱っている、又は感冒などの炎症性疾患の急性期や増悪期
    の使用には向かない。虚証から中間証に用いられる。(適応となる舌は、湿潤
    で微白苔あるいは黄苔である)
◍コタロー十全大補湯エキス細粒―1g―7.1―(上と同じ)
◍クラシエ十全大補湯エキス顆粒―1g―15.0―(上と同じ)
    上の2つは、解説:同上。





2018年10月 5日 (金)

漢方薬処方のポイント――― (1)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
  王 宝禮さんの解説

 ◍ ツムラ立効散エキス顆粒― 1g(単位)― 10.4(単価)―(歯牙痛、抜歯後の疼痛、歯炎

     など) 医療用

    抜歯後および顎顔面領域の疼痛に効果があるとされている。通常の抜歯で抜歯後

    疼痛が軽度と予想される場合には鎮痛効果が期待できるが、難抜歯では十分効果

    は期待できない。象牙質知覚過敏症に対しフッ化ジアミン銀塗布に立効散を

    併用すると治療効果が向上したという報告がある。(証をあまり考えないで処方)

 ◍ ツムラ半夏瀉心湯エキス顆粒医療用―1g ― 22.9― (口内炎→アフタ性口内炎、特に

     再発性に適応があると考える、舌炎にも効果を示す可能性がある。)

    いつも胃がもたれていたり、悪心があったり、腹がぐるぐる鳴って下痢しやすい胃

    腸症状を示す患者の口内炎に用いられる。実証から中間証に用いられる。(適応

    →舌は、厚い白童苔を見ることが多い)

 ◍コタロー半夏瀉心湯エキス顆粒― 1g ― 17.1― (口内炎:上と同じ)

    解説:同上。

 ◍ツムラ黄連湯エキス顆粒医療用― 1g ― 32.8 ―(口内炎:上と同じ)

    平均的な体力があるが、冷え性や腹痛を起こしやすく、胃腸障害がやや軽度

    に適応。実証から中間証に用いられる。(適応となる舌は、舌苔が月賦で黄白滑、

    舌根部でやや厚い場合が多い)

 ◍コタロー黄連湯エキス顆粒― 1g ― 28.0 ― (口内炎:上と同じ)

    解説:同上。

 ◍ツムラ茵蔯蒿湯エキス顆粒医療用― 1g ―8.4 ―(口内炎:上と同じ)

    便秘傾向でイライラがあり、中等度の胃腸障害の患者で、口の中が粘ったり苦味

    を覚えたりするようであればさらに適応症となる。逆に、冷性がある場合には用い

    ないほうがよいとされている。実証から中間証に用いられる。(適応となる舌は紅

    色を呈し乾燥、黄月賦苔が多い)

 ◍ツムラ五苓散エキス顆粒医療用― 1g ― 14.1― (口渇→口腔乾燥症に対する漢方薬

     の代表的なものである。)

    尿量の減少、めまい、体が重いなどの訴えを適応とし、利水作用があることが知ら

    れている。利水とは、体内の水分の代謝異常を調整し正常に戻す働きのこと。即ち

    水分の停滞からくる口渇、浮腫、嘔吐等の症状に対応する方剤。実証から中間証

    に用いられる。(適応となる舌の多くは、湿潤で白賦苔である)

 ◍コタロー五苓散料エキス顆粒― 1g ― 12.3 ― (口渇:上と同じ)

    解説:同上。

 ◍ツムラ白虎加人参湯エキス顆粒医療用― 1g ― 18.1― (口渇:上と同じ)

    糖尿病、シェーグレン症候群、向精神薬、抗不整脈薬の放射線治療による口腔

    乾燥症に対して有効性があり、注目されている。適応は、体のほてりや、疲れや

    すい、多汗、脱水症状や、軽い寒気などを訴える場合がある。実証から中間証に

    用いられる。(適応とする舌は、乾燥、白舌 or 黄舌が多い)






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