日記・コラム・つぶやき

2024年1月 4日 (木)

ポストコロナ医療体制充実宣言 ①

広多勤横浜ヘルスリサーチ代表 書いてろ。 コピーペー:

 厚労省は11月6日、医療関係団体等と「ポストコロナ医療体制充実についての意見交換会」を開催、「ポストコロナ医療体制充実宣言」を取りまとめた。

 この意見交換には厚労省から武見敬三厚生労働大臣のほか大臣政務官、事務次官が出席、医療界からは日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会が参加した。

 同宣言は、この3年間の新型コロナウィルスお感染拡大に対して、国民の理解・協力もあって、我が国の死亡者数は相対的に低く抑えられてきたものの、著しい感染者の増加により医療の逼迫を招いたことから、平時からの備えが必要であることが明らかになった。と指摘。

加えて、感染症有事にも 切れ目ななく質の高い医療を医療を提供するためには医療のデジタル・トランスフォメイション(医療 DX ) が必要であると述べている。新型コロナウイルス感染症の感染は継続している状況ではあるが、次の感染症拡大への備えを厚労省、医療界ともに先手、先手で実施するため」の取り組みを「集中的に進めることを共同で共同宣言する」としている。

2023年11月30日 (木)

Report 2023 感染症根絶 ④

続き:

 当時はアフリカ諸国を中心に 21 か国で 350 万人の患者が発生していた。同センターでは、集落の中で信頼の厚い 住民をリーダーに育て、ギニア虫症状の知識や予防方法を住民ら知ってもらうことに力を入れるなど、地道に活動を積み重ねた結果、症例は劇的に減少した。2021年の 1 年間に症例数はアフリカ全体で15 例。2022 1~8 月にはチャドと南スーダンで合わせて 6 例だけが確認している。ワクチンも治療薬もない感染症をない感染症を相手に根絶寸前まで追い込んだ同センターが主導した「ギニア虫症状撲滅プログラム」に対して、日本国政府な 2022 年「第 4 回野口英世アフリカ賞」を授与した。

 ギニア虫症対策では、日本も流行国に井戸建設の費用など数十億円規模で援助してきた。ギニア虫症はポリオを凌いで地球上から 2 番目に根絶される感染症になりそうだ。

2023年11月28日 (火)

Report 2023 感染症根絶 ③

続き:

 特に途上国で影響が著しい。

 ポリオの根絶計画の遅れを尻目に、着々と患者を減らして根絶のゴールが目前に見えてきた感染症がある。ギニア虫症、重症寄生中症だ

 ギニア虫は主にサハラ砂漠以南に生息する糸状の寄生虫だ。池の水を飲むことで感染する。ギニア虫は人間の体内で成長し、重症化すると脚の皮膚を突き破る。ギニア虫を殺す薬や感染を防ぐワクチンはない。治療法は傷口から虫を取り除くしかない。死亡に至るケースは少ないが、仕事も家事もできない激痛が数週間続く。この感染は池の水をそのまま飲まなければ予防できる。現地では安全な水を供給する井戸を作ったり、プランクトンを除去する井戸を作ったり、プランクトンを除去するフィルターを作ったり、プランクトンを除去するフィルターを配布する取り組みが続けられてきた。

 1986 年にはジミー・カーター元米大統領が創設した非政府組織「カーターセンタ^」が根絶活動を始めた。

2023年11月24日 (金)

Report 2023 感染症根絶 ②

続き:

 現在、野生型ポリオウイルスが常在する国はパキスタンとアフガニスタンの 2 か国のみになった。2022 年の発症数はアフガニスタン 2 例、パキスタンで 20 例が報告されている。

 ところが、WHO は 2022 年 2 月に、アフリカ南東部のマラウィ共和国で患者が確認されたと発表した。ウイルスがまだ常在する 2 か国以外で患者が確認されたことについて、専門家は、世界のすべての地域からウイルスが根絶されるまで、この感染症が広がるリスクはなくならないことを示していると警戒を強めている。

 根絶まであと一歩まで追い詰めたところで足踏みして背景には、COVID-19 のパンデミックの発生あり。

 医療資源がCOVID-19 対策に多く割かれた結果、ポリオをはじめ既在の感染症のワクチン接種に中断や遅れが生じている。

2023年11月15日 (水)

Report 2023  感染症根絶 ①

広多勤(横浜ヘルスリサーチ代表)さんの小論文:コピーペー:

 10 月 24 日は「世界ポリオデー」。ポリオ・ワクチンを開発した米国の医学者ジョナス・ソ=ク氏の誕生を記念して設けられた。例年、ポリオの根絶に向けて世界で力を合わせていこうというキャンペーンが各地で行われる。

 ポリオ(急性灰白髄炎)は、日本でも、1960 年には 6500 人を超える大きな流行があった。その後、ワクチンの普及によって発生は激減した。現在の感染療法で 2 類感染症とされているが、日本では 1080 年以後症例の報告はない。

 1988 年の WHO 総会において、2000 念を目途に地球上からポリオを根絶する決議が採択され、各地域でサーベイランスとワクチン戦略が進められてきた。当時の症例数は 125 か国で 35 万例以上と推計される。各国で対策が進み、1994 年にはアメリカ地域で根絶宣言が出され、日本を含む西太平洋地域では 2000 年に、ヨーロッパ地域も 2001 年に、 2020 年 8月にはアフリカ地域からのポリオフリー(野生型ポリオの根絶)が宣言された。

 

2023年11月11日 (土)

Science 糖尿病における歯周病 ~基礎研究からその問題点を考える~ ⑦

続き:

おわりに

 糖尿病と歯周病な関する大規模 RCT の数は少なく、合併症も多岐にわたる。さらに近年新しい糖尿病治療薬も次々に上市され、治療法も様々であり、結果の評価を難しくしている。一方で、実験動物を用いた基礎研究は、バックグラウンドや治療条件、病態をある程度均一化することができることにより、メカニズムの解明に優れている。

 ヒトと実験動物では大きな違いがあり、大規模臨床研究が重要であることに変わりはないが、基礎研究の結果は、日常診療においても重要な示唆を含むとと考えている。基礎研究からは1型糖尿病、2型糖尿病ともに糖尿病と歯周病の双方向性の関係が明らかにあるのみでなく、糖尿病のある人が中等度または重症の歯周病を有することの危険性を示している。

 日常診療においても、その点を十分に意識して糖尿病と歯周病の医科歯科連携を進めることが重要であると考えている。

2023年11月 8日 (水)

Scince 糖尿病と歯周病 ~基礎研究からその問題点を考える~ ⑥

続き: その2

 動脈硬化は、血管内皮細胞に接着した単球・マクロファージが動脈内膜に侵入し、そこで炎症を起こすとともに、酸化LDLなどを貪食することにより泡沫化することで発症する。一連の過程で、中膜平滑筋細胞は内膜に遊走し、コレラが相まって粥状硬化巣が形成されり。そこで我々は、歯周炎が動脈硬化の発症に関与するか否か、またその機序について明らかにする目的で、歯周炎を惹起したラットの胸部大動脈について検討した。その結果、自実験的歯周炎惹起4週間後の胸部大動脈において、血管内膜上に単球・マクロファージが正常ラットと比較し有意に接着しており、大動脈で炎症を誘導していることが明らかになった。我々の検討では、正常ラットと歯周炎ラットの間に血中炎症性サイトカイン量に差はなく、また大動脈局所で歯周病原細菌の遺伝子発現も認めなかった。

 一方で、血中の単球・マクロファージにおける炎症性サイトカイン発現は、歯周病ラットにおいて正常ラットと比較し有意に増加していた。さらに歯周病ラット、正常ラットからそれぞれ単球・マクロファージは、歯周病ラットからそれぞれ単球・マクロファージを単離し、培養ヒト臍帯血管内皮細胞(HUVECs)上に添加し、一定時間後に洗浄したところ、HUVECs において炎症反応(NF-kB) を活性化し、接着因子せあるvascular cell adhesion molecule 1 (VCAM-1) 発現を増加させていることが明らかになった。こうした事実は、歯周炎により局所で活性化した単球・マクロファージが血液中を流れていき、動脈内膜に接着して血管内皮細胞に炎症を誘導し、接着因子発現を増加することにより、さらなる炎症の誘導を進めている可能性を示唆する。

 糖尿病は血管が悪くなる疾患であり、糖尿病最小血管合併症および動脈硬化性疾患の発症、進展を阻止することが、糖尿病のある人の寿命と QOL を確保するために大変重要。我々の基礎研究は、糖尿病における歯周病の合併が糖尿病血管合併症をさらに悪化させる可能性を示唆している。

2023年10月31日 (火)

Science 糖尿病と歯周病 ~基礎研究からその問題点を考える~ ④

成瀬桂子(愛知学院大学歯学部内科学講座主任教授)さんの小論文をコピーペー:4回目。

 糖尿病における高血糖が、ミトコンドリアにおける活性酸素(ROS) 産生増加を介してNO 反応し、 peroxynitrite を産生し核内酵素である poly(ADP-ribose) polymerase (PARP)を活性化することにより、糖尿病合併症合併症発症機序と考えられているポリオール活性の亢進、グリケーションの増加、 PKC 活性の異常などを引き起こすという理論は、古くより糖尿病合併症発症・進展機序の一つとして考えられている経路である。

 1 型糖尿病モデルラットに対する実験的歯周炎惹起によるニトロ化ストレスの亢進

  正常ラットに比較し、1型糖尿病モデルラットの歯周炎ではニトロチロシンの発現が上昇しており、ニトロ化ストレスが亢進していた。

     ( 図 3 Western blot 画像略)

  そこで我々は、糖尿病における歯周炎増悪機序にニトロ化ストレスの活性化による PARP の活性化が関与しているのではないかと考えた。糖尿病ラットに歯周炎を惹起して検討したところ、糖尿病ラットに歯周炎側歯肉では PARP 活性化が最も亢進しており、PARP 阻害薬投与により PARP 活性化が阻害され、歯周炎が改善するすることを見い出した。(図4 略)。

 こうした事実は、糖尿病における歯周炎発症・進展機序と、古くより考えられている糖尿病合併症発症・進展機序が、共通の経路を有することを示唆するものであり、糖尿病における歯周病を糖尿病合併症と考えるべき根拠の一つあると考えている。こうした実験結果は PAPR 阻害薬を糖尿病合併症や、糖尿病合併歯周炎の治療薬として使用することを期待させるが、現在 PAPR 阻害薬は抗がん薬として使用されており、副作用に骨髄抑制などが認められるため、残念ながら歯周病や糖尿病合併症には使用できない状況である。

2023年10月30日 (月)

Science 糖尿病と歯周病 ~基礎研究からその問題点を考える~ ③ 

2. 基礎研究見えてくる糖尿病における歯周炎とその発症・進展機序

 ストレプトゾトシンによる誘導糖尿病モデルは、ストレプトゾトシンによる膵β細胞の破壊をもとにした 1 型糖尿病モデルである。我々はこの1型糖尿病モデルラットを使用し、上顎右側第二臼歯 (M2)の歯頚部に、できるだけ歯肉に損傷を与えないように縫合用ナイロン糸を全周に巻いて近心口蓋で結ぶようにすることにより、プラークを停滞させ実験的歯肉炎を惹起した。歯周炎惹起 2週間後の歯肉において、糖尿群では非糖尿病群と比較し、著明に炎症性細胞浸潤が増加し、かつ tumor necrosis factor-α(TNF-α)、inducibie nitric oxide synthase(iNOS) といった炎症性サイトカイン発現が有意に増加した。(写真 略)

 2型糖尿病モデルである Zucker diabetic fatty ラットでは対照である Zucker lean ラットに比較し、歯槽骨の吸収が大きく、歯肉における遺伝子発現では炎症性サイトカイン発現が亢進し、抗炎症性サイトカイン発現が減少していることが明らかとなった。動物実験においては、1型糖尿病、2型糖尿病、共に糖尿病の存在が歯周炎を増悪させることは明らか。

 一方で、1型糖尿病モデルラットに実験的歯周炎を惹起すると同時にインスリン治療を行ったところ、インスリン治療群で歯周炎は有意に改善してり、1型糖尿病モデル対するインスリン治療が歯周炎を改善することも確認された。

 さらに歯周炎による iNOS 増加により誘導された過剰な一酸化窒素(nitric oxide:NO ) はニトロ化ストレスを亢進する。しかし、糖尿病において歯周炎では、ニトロ化ストレスがさらに亢進していることが判明した。(写真 略)

 

2023年10月27日 (金)

Science 糖尿病と歯周病 ~基礎研究からその問題点を考える~ ①

成瀬 桂子(愛知学院大学歯学部内科講座主任教授)さんの小論文を載せる コピーペー:

はじめに

 糖尿病と歯周病に関する疫学研究、臨床研究の多くは、糖尿病と歯周病の双方向性の関係を示すものであり、一部には糖尿病合併症と歯周病との関連も示唆するものがある。しかしながら、大規模臨床試験の数は少なく、その評価がいまだ定まっていないのも自実である。糖尿病患者の臨床研究では、患者背景や糖尿病に対する治療を統一することが難しく、その評価が複雑になってくる。そこで、ここでは、研究成果を基に、基礎研究より糖尿病と歯周病の関連について考えてみたい。

1. 疫学研究、臨床研究から見た糖尿病と歯周病の双方向性の関係

 糖尿病と歯周病の双方向性の関係は、多くの疫学研究、臨床研究が示している。既に1960 年に Williams らは、歯周病治療により糖尿病患者のインスリン必要量がが減少することを報告した。1990 年には Nelson らが、2型糖尿病が歯周炎の有病率及び発症率と関連することを報告、1993 年にLoeらが、歯周病が糖尿病の合併症の一つであるという認識が広がった。

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