日記・コラム・つぶやき

2023年1月28日 (土)

Report 2022 オミクロン株 ④

続き:

 わが国での検出例はまだ数%以下だが、BQ.1系統とXBB系統はこれまでに出現したオミクロン株の亜系統より免疫逃避能がさらに強く、従来型とオミクロン対応の 2値ワクチンの予防効果が低下する可能性を懸念する指摘もある。

 一方、オミクロン株はデルタ株に比べて病原性が低く、入院リスク、重症化リスクが低いとされている。デルタ株では多かった若年者の重症化例、死亡例はほとんどなく、症状が軽症ですむことが多い。ただし、重症化する率は少なくなっているものの、感染者数は大幅に増えているので、重症化しやすい高齢者を中心に、重症化数、死亡者数数は多くなっている。

 「オミクロン株」の変異株(亜系統)は着々と進化している。まだ当分の間、油断はできない。ワクチン接種と基本的な感染対策で備えは怠れない。

2023年1月27日 (金)

Report 2022 オミクロン株 ③

続き

 日本国内では2022年4月に BA.5系統が最初に検出され、同年7月頃には BA2系統からBA.5系統に置き換わりが進んで、現在はBA.5系統が主流になっている。

 その後も世界各地でBA.2系統やBA.5系統あら派生した亜系統が多数発生している。特にこれから第8波を大きくするのではないかと懸念されているのがBQ.1系統とXBB系統だ。

 BQ.1系統は BA.5系統の亜流系で、2022年9月にナイジェリアから報告された。イギリス、フランス、デンマークなど欧州や米国で広がっている。米国疾病対策予防センター(CDC)は11月中旬の米国内の新規感染の役 50%が BQ.1系統とその派生型である BQ.1.1系統によると推計している。

 XBB 系統は BA.2 系統の 2 種類の亜系統の組み換え体で 8月にインドで検出された。シンガポールなどから増加の報告がある。

2023年1月26日 (木)

Report 2022 オミクロン株 ②

続き:

 「 B.1.1.529 」は新型コロナウィルスに関して用いられている系統分類命名法であるPANGO 系統による変異株名で、言わばこの変異株の本名に相当する。B.1.1.529 系統には様々な変異ををもつ派生型(亜系統)が多数検出されており、WHOはこの新たな変異型 B.1.1.529 系統を多くの派生型(亜系統)を含めて「オミクロン株」と命名し、最も警戒を要するカテゴリーの「懸念される変異株」に位置づけた。

 オミクロン株は、わが国で第5波の流行をもたらしたデルタ株と同等ないしはそれ以上に免疫逃避の性質を持ち、感染力が強く、2022年の年初からの第6波、さらに夏には第7波の大きな流行をもたらして、なお勢力を維持している。実はこの間には、オミクロン株の中で主流の亜系統が入れ替わっている。

 オミクロン株の亜系統のうちBA.1系統、BA.2系統、BA.3系統に続いて、2022年1月に BA.4系統が、 2月にBA.5系統が南アフリカ共和国などで検出され、現在は世界で登録されるウイルスの約 75% が BA.5系統になっている。

2023年1月25日 (水)

Report 2022 オミクロン株 ①

広多勤(横浜ヘルスリサーチ代表)さんの小論文を載せる。コピーペー:

 2022/11/22、新型コロナウィルス感染症治療薬(抗 SARS-Cov-2 剤)「ゾコーバ」が緊急承認され、広く臨床で使えるようになった。国産初の軽症・・中等症向けの飲み薬で、重症化リスクが低く、高熱や強いせき、喉の痛みなどの症状がある患者に処方される。

 一方で、新型コロナウィルスはまた感染拡大の兆しを見せている。第8波の流行に入ったとの指摘もある。現在、流行している新型コロナウィルス変異株はオミクロン株だ。

 WHO によると、2022年10月に世界でデータソースに登録された新型コロナウィルスの 99.6がオミクロン株で、他の変異株はほとんど検出されていない。

 オミクロン株は、2021/11/24、南アフリカ共和国などから「新たな変異ウイルス B.1.1.529」として報告された。

 

2023年1月24日 (火)

Science 歯周病と認知症 ⑦

続き:

おわりに

 歯周病が認知機能低下に及ぼす影響についてはいくつかのメカニズムが考えられている。初診時より 35年以上経過した、96歳の女性の口腔内写真だが、96歳の現在でも、介助を受けることなく、自身で口腔清掃を行っている。90歳と比較し、プラークの付着量が多くなり、辺縁歯肉の発赤が見られ、口腔機能低下症に該当、だが、認知機能低下は認めない。

 超高齢社会のわが国において、健康寿命の延伸に歯科、口腔が大きく関わっていることが明らかになってきており、歯数と平均寿命が高い相関関係にあること、70歳時点での歯数が 20歯以上の人と、無歯顎者では、生存率 50% に 6年以上の差が出ることなどが報告されている。認知症患者の増加に伴い、2015年にて「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~」(新オレンジプラン)が策定され、7 つの新オレンジプランの柱のうち2つ目の“認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護の提供″ には、発症予防の推進として口腔機能の向上や、地域の歯科医師の認知症対応力向上のための研修の実施など歯科医師の役割が明記されている。今後は、歯の喪失を予防するための歯周治療はもちろんのこと、認知症の容態に応じた歯周治療を行い、生涯にわたり歯周病、そして口腔の管理を行っていく必要がある。

2023年1月23日 (月)

Science 歯周病と認知症 ⑥

続き:

3. 認知症患者の歯周治療

 日本老年歯科医学会では、「認知症の人への歯科治療ガイドライン」を作成し、認知症患者の歯科的対応についての情報を提供している。歯周治療に関連するクリニカルクエスチョン (CQ: 臨床上の疑問) として、口腔管理、口腔衛生管理について述べられている。「CQ :(健常な時からの) 定期的な歯科管理は、認知症の発症予防・重症化予防に効果的か」に対して、「定期的かつ継続的歯科介入は、口腔の機能と健康状態を良好に保つとともに、社会性の確保が確保が可能となり、認知症の発症および重症化の予防に効果的である可能性がある」としている。また、「CQ:歯科医療機関におけるはお喪失予防・口腔機能低下予防は認知症の発症・重症化予防に効果的か」に対しては、「歯の喪失予防・口腔機能低下予防は、その効果を支持する報告の数については十分とは言えないが、認知症の発症予防(発症遅延も含む)・重症化予防に良い影響を与える可能性は高い」としている。これらのことからも、歯周治療を含む口腔衛生管理が認知症の発症予防および重症化予防に寄与する可能性が高い。

2023年1月21日 (土)

Science 歯周病と認知症 ⑤

続き:

3) 歯周病とアルツハイマー病

 アルツハイマー病は、老年期に発症し、緩徐に進行し、記憶障害を主症状とし、病態として老人斑(アミロイドβと呼ばれるタンパク質の樊城蓄積)が脳神経細胞外に沈着することや、高リン酸化したタウタンパク質(神経軸索機能の維持に必須なタンパク質)の神経原線維変化を特徴とする。アルツハイマー病患者の中枢神経系では炎症反応の亢進が認められ、それがアルツハイマー病の病態形成に重要であると考えられている。

 アルツハイマー病案者の脳において、サイトカインなどの炎症性物質が増加していること、アミロイドβがマクロファージなどによる炎症反応を惹起することなどがその根拠いなっている。

 歯周病は、プラーク中の細菌による感染とそれによる生体の防御反応である炎症・免役反応により発症・進行する慢性炎症性疾患であり、歯周組織において持続する慢性炎症によって産生された炎症性サイトカインなどが、血流を介し全身に広がり影響を及ぼすことで、全身性の炎症が認知機能の低下、アルツハイマー病発症のリスクを増大させる可能性が示唆されている。

 また、アルツハイマー病患者の剖検脳から多くの細菌が検出され、歯周病原細菌である Tannerella forsythia, Porphyromonas gingivalis が10例中 3例で確認されている。また、Treponema 属性の菌が三叉神経節、脳幹、大脳皮質などで検出された報告もある。

 これらのことは、歯周病原細菌が血流などを介して脳神経系に直接伝播する可能性を示している。アルツハイマー病モデルマウスの口腔内に直接 P.gingivalis を投与したマウスは、非投与群と比較し認知機能が著しく低下したと報告がある。さらにその脳を解析した結果、アミロイドβの沈着量の増加、 TNF- α などの炎症性サイトカインの産生量の増加、りぽたとうるい(LPS)濃度の上昇が認められ、アルツハイマー病の病態の悪化が示された。

 これらのことから、歯周病原細菌が直接または間接的に、アルツハイマー病の病態に影響を与えることが示されている。

 

 

 

2023年1月20日 (金)

Science 歯周病と認知症 ④

続き:

2) 歯数と認知機能

 歯周病は永久歯を失う最大の要因であり、その割合は35歳以降で年齢と共に高くなり、60歳以降はほぼいっていである。抜歯処置を受けた患者の基礎疾患で、歯周病と双方向と関連する糖尿病では、歯周病が原因で抜歯に至った割合が55%と、他の疾患と比較して最も高い割合を示すことも報告されている。

 歯数と認知症の発症リスクとの関連を検討した研究で60歳以上の日本人一般住民を対象とした研究で、残存歯数が少ないほど認知症の発症リスクが高くなるとという有意な負の関連が認められた報告をしている。また、健康な65歳以上の高齢者を4年間追跡した調査では、20歳以上の者と比較して、歯がほとんどなく、義歯未使用の者は1.85倍、なんでも嚙める者と比べて、あまり嚙めない者とは1.25倍、認知症発症のリスクが高かったことも示されている。この研究では、歯がほとんどなく義歯使用の場合、20歯以上の者と比較した認知症発症リスクが1.09倍であることから、歯数が少なくても義歯使用することで、認知症発症リスクが低くなる可能性も示唆された。

 レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB) を用いた研究においても、アルツハイマー型認知症と歯数の関連が報告されている。現在歯数を1~9歯、10~19歯、20~32歯の3群に分け、性別と年齢を調整したロジスティック回帰分析の結果、20~28歯の者を基準として性・年齢調整オッズ比は1.11(95%信頼区間1.10-1.13),1~9歯では1.34(05%信頼区間1.32-1.37) と有意に高かった。また、この研究では、喪失歯数を1~14歯、15~27歯、28~32歯の3群に分け、1~13歯の者を基準とした場合について、喪失歯14~27歯でオッズ比は1.40(95%信頼区間1.36-1.44)、喪失歯28歯では1.81(95%信頼区間1.74-1.89)であったことも報告している。

 この結果から、現在歯数が少なく欠損歯多い者ほどアルツハイマー型認知症の有病率が高いことが明らかにされた。また、この研究では、80歳以上の歯科医療機関受診者の6~16%がアルツハイマー型認知症診断されており、歯科受診している認知症高齢者が少なくない実態も明らかにされている。

 臼歯を抜歯したマウスと非抜歯のマウスの比較研究では、抜歯した群で有意に認知機能が低下したと報告され、そのメカニズムとして海馬神経細胞の減少が考えられている。また、粉末餌、ソフトダイエット(液状餌)によって咀嚼機能低下を惹起させたマウスでも認知機能障害の誘導が示されている。

 また、喪失歯による咀嚼機能の低下は栄養状態の悪化を招く。認知症高齢者では、低栄養状態が問題となって、世界8カ国の認知機能障害のある高齢者を対象とした研究で、認知症の重症度が高いほど10ポンド(4.5kg)以上の体重減少の頻度が高かったことの報告もあった。

 また、食事の観察の失認、傾眠、拒食、徘徊、異食などの11項目の微候を評価する「認知症高齢患者の食事中の微候・症状・:Signs and Symptoms Accompanying Dementia while Eating (SSADE)」があり、これにより評価された失認、傾眠、拒食、徘徊、異食などの微候が低栄養状態と関連することが報告されている。

 これらのことから、歯の喪失による咀嚼機能の低下は、認知機能の低下の要因となることが考えられる。

 

 

2023年1月19日 (木)

Science 歯周病と認知症 ③

続き:

2. 認知症と歯科・口腔状態

 認知症患者の口腔内は、口腔清掃状態が不漁で有って、う蝕や歯周病の有病率が高く、喪失歯数が多いことが報告されている。これは、認知機能が低下し、口腔清掃が困難となり、結果として口腔疾患に罹患し、歯の喪失に至ると考えられる。通院中の患者においても、認知機能の低下から口腔清掃状態が不良となり、抜歯せざるを得ない状況に置かれることも少なくない。

 かかりつけ歯科医では、「表現のまとまらない口腔の不調を繰り返す」、「予約時間を間違える」、「整容が不十分である」など診療中や受付などで、いままでと違うと感じる場合には認知機能の低下を疑う必要がある。われわれも、急性症状を有する連絡を受け来院予約をしたにもかかわらず来院しなかった症例や、症状を認めるが、来院した際は、電話の内容と異なるなど、認知機能の低下を疑う機会も少なくない。

 一方、近年では、口腔内の状態が認知機能の低下や、認知症の発症に関連するという報告もされるようになってきている。

1) 歯周病と認知機能

 歯周病の臨床パラメータと認知症の関連では、プロービングデブス。プロービング期の出血(BOP)、クリニカルアタッチメントレベルなどとの間に有意な相関関係があることが報告されている。その他にも、歯周病患者は、健常人と比較し、アルツハイマー病の発症リスクが1.7倍高いことや、認知機能の低下が早いことも報告がある。

 われわれは、認知症専門病院の関連施設に入所中の軽度認知機能障害(MCI)患者を対象とし、歯周病と認知機能の関連について調査した。 MCI は①以前と比較して認知機能の低下があり、これは本人、情報提供者、熟練した臨床医のいずれかにより指摘される、②記憶、遂行、注意、言語、視空間認知のうち1つ以上の認知機能領域における障害がある、③日常生活は自立している、④認知症ではない、と定義される。

 MCI から認知症への移行はおよそ5~15%/年、認知機能が健常へ戻る率はおよそ16~41%/年と考えられる。

 その結果、4mm以上 Probing Depth(PD)占有率、BOP率、 O'Leary のプラークコントロールレコードで、認知機能(改訂長谷川式簡易知能評価スケール:HDS-R)と相関を認め、現在歯数は多いが、認知機能の低下とともに、口腔清掃状態は不良となり、歯周ポケットも多く認められることを明らかした。

2023年1月18日 (水)

Science 歯周病と認知症 ②

続き:

1. 認知症

  認知症は、一度獲得された正常な認知機能が脳の萎縮や脳血管障害などによって著しく低下し、もの忘れをはじめとするいくつかの症状によって、常生活に障害をきたす状態と定義され、世界で最も罹患者数の多い神経疾患として知られている。日本における認知症高齢者数は高齢化とともに増加しており、2012年は462万人と、65歳以上の高齢者の7人に1人(有病率 15.0%)であったが、2025年には約700万人、同様に65歳以上の5人に1人になると見込まれ、認知症の予防や早期発見が重要な課題となっている。

  認知症や認知症様症状をきたす疾患は多く、アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、レビー小体病などがあげられる。認知症の病型では、アルツハイマー型認知症が最も多く。全体の67.6%を占めていたとの報告もある。認知症では、疾患ごとの機能低下部位を反映し、複数の認知機能に障害が認められる。 認知症で障害される認知機能として、もの忘れ、時間・場所が分らなくなるなど、注意、遂行機能、記憶、言語、視空間認知などがあげられる。

  また、認知機能障害を基盤に、身体的要因、環境的要因、心理的要因などの影響を受け、行動・心理症状(BPSD) が出現する。 BPSDには、焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制などの行動面の症状と、不安、うつ、幻覚・妄想をはじめとする心理症状がある。認知症の症状は多彩で、どのような症状が起きるかは認知症の原因や本人の性格、周囲の環境などにより変化する。

より以前の記事一覧

無料ブログはココログ

お気に入り