趣味

2010年4月 1日 (木)

オバマと健保改革

冷泉彰彦さんのUSAレポートによると、1960代から続いていた「国民皆保険」問題の観点から考えると、1993年に当時就任したばかりのビル・クリントン大統領がヒラリー夫人と提案した改革案を共和党主導の議会に潰されて以来、ほとんど不可能と思われていた改革が、今回は、実現を見たのですから画期的です。「現在の健康状態に基づいて保険会社が加入を拒否できない」「被扶養者の若者は26才まで親の保険に加入が可能」「無保険者が個人で保険を購入する際は公費補助」改革の目玉といえるこの三点だけでも、アメリカ社会としては画期的です。共和党はいろいろ、ごたごた言っていたようですが、ここ数ヶ月40%台の前半で低迷していた法案への支持が、可決後には46~49%上昇に向き、アメリカ世論も、この決定を受け入れつつあるようだ。どうして合意が可能となったのか、それは、なりふり構わないオバマ政権の強引な指導力です。彼はやり方がスローだとか、大統領の姿が見えないとかいった時もあるのですが2010/01のマサチューセッツ補選の民主党敗北が契機となった。これで、民主党は無所属議員を入れても60議席の絶対多数を失ってしまった。大統領は強引な案で法案を通してしまったのです。下院に上院案を丸呑みさせるのです。どうしてこんな案が可能なのかというと、上院では既に法案は可決されているので、選挙で上院がマイナス1となっても、もう採決する必要がないということです。下院さえ、上院案をそのまま可決してくれれば、後の付帯決議は「法案の審議ではなく、予算執行の事務的決議(リコンシリエ―ション)だ」として、野党(共和党)の審議妨害権を退けて単純過半数51で行けるというわけです。こうしてテクニカルな戦法それ自体が、共和党には卑怯と映っているのですが、とにかく、この案でホワイトハウスは猪突猛進しました。1月の時点でオバマ大統領は表面的な発言として「公営保険のない改革案を持ってきてもサインはしない」と言い続けていた裏では非常に強引に下院民主党左派議員たちを切り崩していった。この辺からかなり緻密にメディア対策もかかわってきた。CNNなどのニュースのタイトルが2月中旬あたりから「健保改革論争(ディべート)」というような表現から「健保問題の危機(クライシス)」と表現に変わって行ったのですが、メディアとしてその方が刺激的であるという表面的な意味だけでなく、「このままだと改革が失敗する」という漠然とした「だから賛成しなくては」というメッセージ性があった。そのCNNとウォールストリート・ジャーナルの世論調査でも、単純に賛否を問うだけでなく、「問題の長期化の責任は誰か?」のQ.に対してA.には「議会か大統領?」その結果「議会が悪い」という回答が多数占有した。又、こんなQ.の問題「問題の長期化させているのは民主党か共和党?」では、A.の部分は70%以上が「共和党」と答えているので共和党はだんだん旗色が悪くなって行きました。ここアメリカも「どうして景気が悪いのにカネを使う話をするのか?」という疑問「それより雇用が先だろう」という世論がジワジワと改革を理解していったのです。これは、大胆な予測を込めて言うなら、オバマは左右のポピュリズムに攻撃を受けて苦労していた。しかし、健保改革で自分を静かに穏健路線にシフトさせながら、その穏健路線で実務的に突き進んだわけです。その姿勢は結果的に、世論の無党派や穏健派は理解したのだと思います。これは、政治的な奇跡と言うべきかな。

2007年8月16日 (木)

以前より見たいと思っていた蝶の標本

熊本市博物館に出かけた。小学校時代から、夏休みになると、蝶の標本採取の為に、近くの里山や八木山、竜王山、そして彦山まで、山の中に入り込んだ毎日であった。今日は、今まで、一度もお目にかかったことのない世界の蝶の中で、ジャコウアゲハの一種であるトリバネアゲハとか、メキシコから南米中部まで広い範囲に分布しているモルフォ蝶の標本が展示してあるんで、ジーと見つめた。大満足であった。トリバネアゲハの仲間、1、ゴクラクトリバネアゲハ 2、アレキサンドラトリバネアゲハ 3、キシタトリバネアゲハ 4、アカエリトリバネアゲハ そして、これ等の分布は、インドネシア、ニューギニア、パプアニューギニア、ソロモン諸島にひろがる。一方、モルフォ蝶は世界で80種以上。翅は青い金属光沢をもつ。角度によって色が変化する。丁度、タマムシ、アワビの貝殻、孔雀の羽根の色の様な構造色である。これは、光の波長より小さな構造が色を見せる現象で、光の干渉や回析、散乱が関係するのである。